近い将来間違いなく実用化される完全自動運転車。2020年代には限定的な条件下で続々と導入され、2030年代には本格的な普及段階に達するものと思われる。多くの自家用車からハンドルやアクセルペダルがなくなり、食事や読書をしながら快適に移動するスタイルが当たり前のものになっていく。利便性はどんどん高まっていくだろう。
その一方で、失われるものが一つある。「運転する楽しさ」だ。
トランスミッションがマニュアルからオートマに変わったとき、楽ちんさを実感しつつも寂しさや物足りなさを感じたドライバーは結構多いのではないだろうか。自分の思うとおりに機械を操作するという喜びや達成感はかんたんに消えるものではなく、完全自動運転時代が到来してもそこにこだわりを持ち続けるドライバーは間違いなく存在し続けるだろう。
その時に大きな価値を持つのが、自動運転ではない従来の手動の自動車だ。完全自動運転車の普及に伴い手動運転車は市場から次第に姿を消していく。生産も停止され、残されたのは数十年前に製造された旧車のみという時代がやってくる。その時、現在の自動車が希少なアンティークカーとしてより価値を高め、高値で取引されるのではないだろうか。
完全自動運転車の普及に比例して現在の自動車の価値も高まっていく。そんな時代を見越して、今乗っているクルマを大事にしませんか?