日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市/社長:西川廣人)と株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区/社長:吉澤和弘)は、日産が開発する「Invisible-to-Visible」技術を5G(第5世代移動通信方式)を用いて走行中の車両で活用する実証実験を、2019年3月14日までに開始した。
「Invisible-to-Visible」は車両のセンサーが収集した情報とクラウド上のデータを統合し、前方の建物の裏側やカーブの先など肉眼では見えない部分をドライバーの視界に映し出す技術だ。日産が開発するコネクテッドカーや自動運転車両への搭載を予定している。
同技術のもう一つの特徴は、VR(仮想現実)とAR(拡張現実)を活用した遠隔同乗体験機能だ。ドライバーはVRによって自分好みのアバターに変身し、仮想世界にアクセスをする。遠隔地にいる知人や家族をARによって3Dアバターとして車内に登場させ、同じ車に同乗しているようにドライブを楽しむことができるという。
今回の実証実験は日産が横須賀市に所有するテストコース「グランドライブ」にて、市販車ベースの実験車両で行う。走行中の車両をNTTドコモの5G通信でクラウドに接続し、テストコース内の離れた場所に居る人物を3Dアバターとして出現させて、実際に会話しながら運転に必要な情報提供の有用性などを確認する。
アバターの伝送や車内の映像をリアルタイムで行う必要があるため、高速大容量で低遅延な5G通信が必要になるという。
両社はさまざまな利用シーンを想定しこの技術の開発とテストを進めていく方針だ。近い将来、離れた場所に住む家族とのドライブや知らない土地のドライブを気軽に楽しめるようになるかもしれない。
【参考】「Invisible-to-Visible」については「日産、”ビルを透明化する”将来技術発表 自動運転車に搭載へ」も参照。