出版大手の凸版印刷と自動運転ベンチャーのZMPが共同開発する無人物流システムが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2018年12月に実施した物流実証実験で提供されていたことが、2019年4月18日までに明らかになった。
実験に用いられた無人物流システムは、ZMPが開発するCarriRo ADと電子タグを組み合わせたものだ。倉庫内の荷物移動を自動で行う際に、荷物に取りつけた電子タグを読み取ることで検品作業も同時に行えるのが特徴だ。
実験に用いられたCarriRo ADは自動運転機能を持つ台車型物流ロボットで、単体で150キロまで、オプションの牽引器具を取り付ければ約300キロまでの荷物を運ぶことができる。動力はバッテリーで、2時間半の充電で8時間稼働することができるという。
■実証実験の内容は!?
実験内容は電子タグを張り付けた段ボールやカゴ台車をCarriRo ADが無人でけん引して、電子タグを読み取るゲートを通過した際の読み取り制度を検証するというものだ。120キロ以上の荷物を積んだカゴ台車で500回以上ゲートを通過し、人力でゲートを通過した際と比較して読み取り性能が低下しないことが確認された。
重量のあるカゴ台車は人間が牽引する際の負担が課題となっているが、システムの導入で解決することが可能だ。また、倉庫内の製品をチェックする棚卸や検品が電子タグにより自動で行えるため省人化も可能となる。
CarriRo ADは既に100以上のクライアントに導入した実績があり、物流拠点や工場だけでなくサービス業などへの導入も期待されているという。今後はCarriRo ADと電子タグの組み合わせによる物流システムを普及させて労働力不足の解消を目指す方針だという。
【参考】関連記事としては「自動運転ベンチャーZMP、物流支援ロボット「CarriRo」を活用して無人棚卸ソリューション 凸版印刷と共同開発」も参照。