物流世界大手の米フェデックスは2019年3月7日までに、自動運転配達ロボット「FedEx SameDay Bot」を発表した。自宅や企業に商品を配送する流れの中において「ラストマイル配送」を担う。
フェデックスは、ピザハットやウォルマートなどの企業と協力関係を結び、小売企業における無人配達の有用性を調べてきた。その結果、小売店の顧客の60%以上が店舗から3マイル(約4.8キロ)以内に位置しており、ラストマイルにおいて特にニーズがあることが分かった。
同社は今年の夏にもテネシー州メンフィスを含む一部のエリアでFedEx SameDay Botの実証実験を行う計画で、現在は市当局の最終承認を待っているという。
■セグウェイ開発者が協力
フェデックスの自動運転配達ロボット「FedEx SameDay Bot」は、電動立ち乗り2輪車「セグウェイ」や階段を登れる電動車いす「iBot」などを開発したことで知られるディーン・ケイメン氏とともに共同開発された。LiDAR技術や複数台のカメラで周囲の環境を把握し、歩道や路肩を走行しながら顧客の家庭や企業に小型配送物を届けられるように設計されている。
障害物の検知・回避のプログラムも組まれており、自ら安全なルートを判断しながら目的地まで移動する。iBotの技術を応用することで、舗装されていない路面や路肩、玄関の段差なども問題とならず、ドアツードアの配達を実現できるという。
フェデックスのBrie Carere副社長はFedEx SameDay Botについて「地域配達のあり方を一変し、近年高まっている小売業者の期待に効率的に対応できるよう設計された自動運転ロボット」と表現。その上で「成長するEコマース市場のため、安全かつ環境にやさしい方法でラストマイル配送やコスト削減に取り組んできた。今回のボットの開発はその一つの成果だ」と語っている。
【参考】関連記事としては「自動運転ベンチャーZMPの物流ロボCarriRo、導入広がる ”意思”を持つ台車が「押す時代」に終幕をもたらす」も参照。