愛知県常滑市にある中部国際空港島内の一般道で、1人で複数台の自動運転車両を遠隔制御する実証実験が、2019年3月3日から3月8日まで実施される。愛知県が2019年2月21日までに発表した。
今回の実証実験で特に注目したいポイントは、信号機と自動運転車両が通信するという取り組みがテストされる点だ。走行ルート上に設置された信号機に専用の無線機が設置され、信号が変わるサイクルを車両と直接通信する。
新しい信号認識技術は従来のカメラによる認識とくらべると、天候や障害物などの周辺環境に左右されない確実な認識ができるため、信号サイクル情報を活用した安全な交差点の通行が可能となる。また信号の切り替わりを見越したペースで運行することで、省エネ効果や渋滞解消につなげることもできる。
この技術のテストには株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)と日本信号株式会社が協力しており、中部地方では初めての試みとなる。
■愛知県が推進する事業の一環として実施
今回の実証実験は、自動運転サービスの実現を目指す愛知県が推進する「平成30年度自動運転実証推進事業」の一環として行われる。参加するのはアイサンテクノロジー株式会社や株式会社ティアフォー、岡谷鋼機株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、KDDI株式会社、名古屋大学など。
車両の走行は運転席にドライバーが搭乗しない完全自動運転で行われ、遠隔監視拠点に設けられた疑似運転席から1人の運転手が2台の車両を同時に管理する。運転手はモニターを通じて2台の運行を監視し、緊急時にはハンドルやアクセル、ブレーキを制御して安全を確保する。
2台の車両は時間をずらして追従し、中部国際空港島内の約2キロの一般公道を走行する。募集された市民モニターが実際に搭乗し、3月3日の実験初日には愛知県の大村秀章知事と常滑市の片岡憲彦市長も試乗体験を行い、自動運転技術のPRを行う予定だ。
【参考】愛知県の実証実験への取り組みは「愛知が和製カリフォルニアに!? 自動運転実証で知事、5G実験に意欲」も参照。