アフリカのスタートアップの中には、シェアリングサービスやマッチングサイトの代表格とも言える「ウーバー」の仕組みと似たビジネスモデルで事業を展開している企業が少なくない。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が2019年2月に公表した「Africa Start-Up100(アフリカ・スタートアップ100社)」という資料によれば、南アフリカ共和国最大の都市ヨハネスブルグに本社を置くエンプティ・トリップス社(2015年設立)は、トラックや貨物列車などの物流キャリアと利用者とを結ぶマッチングサイトを提供している。
南アフリカ共和国は物流コストが国際水準と比較して高い。そんな中、同社は「往路では荷物を積んでいるトラックや貨物列車が、復路では荷物スペースをほぼ空の状態で走っている」(引用:Africa Start-Up)ことに着目し、サービスを開発した。同社の取り組みはベンチャー企業を対象にしたさまざまな賞を受賞し、同国における注目企業に育っている。
ナイジェリアを拠点に事業を展開するハロー・トラクター社(2016年設立)は、「ウーバーのトラクター版」とも呼ばれる小規模農家向けの農機リース事業を展開している。小規模農家は収入が低いため農機を購入できないことから、農機を持っている人とこうした人たちを結ぶプラットフォームを立ち上げた。
貸し出すトラクターにGPS(全地球測位システム)を設置することで使用状況の管理や盗難防止に役立てており、こうした工夫も功を奏して事業が拡大していき、現在はケニアでの事業展開も行っているようだ。
世界的にシェアリングエコノミーの台頭が目立つ中、「最後のフロンティア」と呼ばれるアフリカも例外ではない。特に機材や設備が限られている国などでは、共有経済の仕組みはより浸透していきやすいのだろう。
アフリカ国内でのウーバー型サービスは、今後もさまざまな企業によって生み出されていきそうだ。
【参考】関連記事としては「独ダイムラー、ウーバー競合のtaxifyに資本参加 ライドシェア投資加速」も参照。