インドネシアで二輪車(バイク)を利用したライドシェアサービスが人気を集めている。その名は「Go-Jek(ゴジェック)」。米ハーバード大学卒のナディエム・マカリム氏が2010年に若干26歳の若さで始めたサービスだ。
■渋滞が酷いインドネシアで誕生
インドネシア国内ではもともとバスや電車などの公共交通機関のほかに、Ojek(オジェック)というバイクタクシーが、渋滞を避けるためのお馴染みの交通手段となっており、利用者は駅などの乗り場や街を流しているこのオジェックを使って移動するなどしていた。
ゴジェックはこのオジェックを専用アプリで配車するサービスだ。スマホ一つでオジェックを呼び、目的地まで運んでもらえるため、オジェックを捕まえるための時間をロスすることも無く、また、運転手にとっても客待ちの時間を減らすことができる。
利用者はアプリ上で乗降場所を入力すると料金が算出され、現金か電子決済「Go-Pay」で支払う。事前にバイク運転手の名前と携帯番号が通知されるので安全性も高く、ゴジェックはスマホの普及とともに人気が拡大した。現在は通常サービスのほかに、バイクによる料理や食料品、処方薬、イベントチケットなどの宅配、ハウスクリーニングやマッサージ師などの派遣サービス、インドネシア国内で人気の通販サイト「Tokopedia」の配送も手掛ける。
誰でもすぐに利用できる手軽さと多様なサービスが人気を呼び、インドネシア国内では2017年12月時点で、登録ドライバーが90万人、1週間の利用者数はなんと1500万人に上ると報じられている。今やインドネシアを代表する企業に成長し、中国テンセントや、米グーグル、日本の楽天など世界の名だたる企業が同社に投資している。
■ベトナムに進出、タイやシンガポールへも!?
Go-Jekはインドネシア外への展開をこれまで模索しており、その第1弾としてベトナムでのサービス開始を2018年9月28日までに正式に発表した。今後、タイやフィリピン、シンガポールへの進出を目指している。同社では2018年5月に海外展開のために5億ドル(約550億円)の資金投入を行っていた。
ベトナムのブランド「Go-VIET」は2018年8月1日からホーチミン市でサービスを開始し、すでに登録ドライバーが2万5000人、アプリのダウンロードも150万回に達しているという。同社によると、わずか数カ月でホーチミン市のライドシェア市場の約35%のシェアを獲得したという。現在はハノイ市でもサービスを提供しており、今後は商品や食品の配達も行っていきたい考えだという。
【参考】ライドシェアについては「ライドシェアとは? 意味や仕組み、ウーバーなど日本・世界の企業まとめ|自動運転ラボ」も参照。