株式会社ゼンリン(本社:福岡県北九州市/代表取締役社長:髙山善司)と株式会社ゼンリンデータコム(本社:東京都港区/代表取締役社長:清水辰彦)は2020年10月30日までに、運送・配送業務の効率化を支援する「ZENRINロジスティクスサービス」の提供を開始すると発表した。
■物流業界の課題を解決するサービス
「ZENRINロジスティクスサービス」の主な機能は3つある。1つ目はAIによる配車計画だ。専門的なノウハウを持たない人でも、AIと位置情報からさまざまな条件を加味したコストパフォーマンスの高い効率的な配車計画を容易に実現できる。
2つ目はゼンリンの詳細な住宅地図データを活用したナビゲーションだ。ラストワンマイルでのドライバーの負担を軽減すべく、大型車両規制などを踏まえたルート検索が可能だ。
3つ目は業務進歩の管理と分析だ。リアルタイムの走行と配送状況を管理でき、走行実績から日報を自動で作成できるようになる。管理者とドライバー双方の業務改善につながる。
以上3つの機能を通じ、物流業界の課題である物流量の増加やドライバーの減少、業務の平準化などに対応していくという。
■ZERNIN Maps APIもリリース予定
2020年12月には新たなサービス基盤となる「ZERNIN Maps API」をリリース予定だ。ゼンリンが保有・継続更新する住所や建物属性などの情報を含む住宅地図、道路地図など豊富な位置情報コンテンツと企業のビッグデータを連携させ、業務改革と新たな価値の創造を実現していくという。
■国も物流MaaSの取り組みを加速
今後ますます労働力不足が見込まれる日本。そんな中、物流業界では効率化は不可避の課題だ。ゼンリンの今回の取り組みもこうした課題の解決に資するものだ。
国も物流MaaSへの取り組みを通じ、こうした課題に真っ向から取り組んでいる印象だ。経済産業省は7月、商用車業界としての取り組みとして「トラックデータ連携の仕組み確立」、「見える化・混載による輸配送効率化」、「電動商用車活用・エネルギーマネジメントに係る検証」の3つの方向性をまとめ、取り組む事業者を公募のうえ選定している。
ゼンリンやゼンリンデータコムの取り組み、そして国の事業が進むことで、今後、物流業界の課題が徐々に解消・緩和されていくことが期待できそうだ。
【参考】関連記事としては「物流MaaS、EV商用車活用に向けた検証スタートへ!ミツバなど3社の取り組みは?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)