トヨタ自動車の自動運転関連ソフトウェアやスマート・シティなどの新領域を手掛けるWoven Planet Group(ウーブン・プラネット・グループ)は2021年1月29日午後、オープニングイベント「The Genesis」のライブ配信を行った。
■カフナーCEO、テクノロジー開発の成功のカギを語る
ウーブン・プラネット・グループは、持ち株会社である「ウーブン・プラネット・ホールディングス」、自動運転技術の開発を手掛ける「ウーブン・コア」、Woven Cityなどのスマートシティ分野や自動車分野を超えた新しい事業分野を手掛ける「ウーブン・アルファ」、そしてグローバル投資ファンドの「ウーブン・キャピタル」からなる。
ライブ配信では冒頭、ウーブン・プラネット・ホールディングスのジェームス・カフナーCEO(最高経営責任者)が「テクノロジー開発の成功のカギは、コアとなる技術、スピードとイノベーション、そしてリソース」と強調した上で、グループとして「Mobility to Love, Safety to Live」というビジョンを掲げていることを述べた。
その後、ウーブン・コアの鯉渕健取締役が登場し、「自動運転技術や高度運転支援技術などを駆使し、トライバーのパートナーとして進化し続けるモビリティを目指していく」と語った。
さらに、2021年に新技術「Advanced Drive」を搭載したモデルを市場に投入する予定だと説明した上で、MaaSやサービスカー向けの自動運転としては、自動運転実験車「TRI P4」を使って都内で実証実験を実施していることにも触れた。
■Woven City「人を中心に、住む方一人一人の生活を想像しながら」
ウーブン・キャピタルに関しては、責任者の西城洋志氏などが登場し、西城氏は「我々がキャピタルというとき、それは資金だけではなく、技術や知識、リソースです」と述べ、さまざまな企業やスタートアップへの出資やパートナーシップに意欲を示した。
そして最後にトヨタのコネクティッドシティ「Woven City」について、同プロジェクトの担当者である豊田大輔氏が説明を行い、「最も大切にしていることは、人を中心に、住む方一人一人の生活を想像しながら取り組むこと」と語った。
さらにWoven Cityについて「イノベーションをリアルな環境で実証・実装していく重要な場になると考えています」とも述べた上で、2月23日にWoven Cityの鍬入れ式を行うことを説明した。
■トヨタ、2021年も取り組みを全力で推進
オープニングイベントで語られた内容によれば、Woven Cityを含むトヨタの新たな取り組みは、2021年も全力で推進されるようだ。ちなみに今回ライブ配信された動画は以下から閲覧可能となっている。トヨタのモビリティの未来に興味がある人は、ぜひ閲覧してみてはいかがだろうか。
ちなみに、イベント後の質疑応答のセッションでは、オーナーカーの自動運転レベル3(条件付自動運転車)については、大前提として開発を進めていることが説明された上で、製品として販売を開始する計画について公表することは、現段階ではできないと説明された。
ウーブン・キャピタルについては8億ドルの運用規模だとすでに公表されているが、8億ドルのうち直接投資として90%、残りの10%はVC(ベンチャーキャピタル)に参画するために充てるという。また近くウーブン・キャピタルの最初の投資案件が紹介できそうだという。
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略を徹底解説!2020年代に起こす大変革とは?」も参照。