トヨタ自動車が開発中の「e-Palette」については、すでに業界関係者の多くの人が知るところだろう。自動運転レベル4での走行を実現する自動運転EV(電気自動車)で、東京オリンピックでは選手村で選手の移動車両として使用される見込みだ。
ただし、「S-Palette」について知っている人はまだ少ないのではないか。トヨタはこのS-Paletteについてプレスリリースではまだ発表していないが、トヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」の記事とYouTube動画の中ですでに登場させている。
■物流用の「自動運転ロボット」という位置付け
S-Paletteに触れられているのが、トヨタイムズにおける以下の記事とYouTube動画だ。いずれも、トヨタが静岡県の東富士で着工したコネクティッドシティ「Woven City」に関する記事と動画となっている。
▼過去から未来へ。壮大な実証都市が目指すもの(後編)
https://toyotatimes.jp/chief_editor/062.html
記事によると、S-Paletteは人の移動用ではなく物流用の「自動運転ロボット」だ。Woven Cityには実際に人が住むことが想定されているが、S-PaletteはWoven Cityの物流センターに届いた新聞などを含む荷物を各戸に運ぶ役割を担うという。ゴミ収集でも活躍するようだ。
また、Woven Cityでは地下に物流専用道をつくる計画があることがすでに明らかになっているが、S-Paletteは主にこの地下の物流専用道を走行し、各戸に荷物を届けることが想定されているらしい。
■靴箱の下部にタイヤがついたようなデザイン
トヨタイムズの動画ではS-Paletteの風貌が模型として少し登場する。一言で言うと、靴箱の下部にタイヤがついたようなデザインだ。
S-Paletteという名称からe-Paletteをベースにした車両かとも思ったが、そうではなく、オリジナルデザインのロボットを一から開発したということだろう。
いずれにしても、今後トヨタはこのS-Paletteについていずれかのタイミングで発表するはずだ。わくわくしながらその日を待ちたい。
【参考】関連記事としては「トヨタのe-Palette(イーパレット)とは?多目的自動運転EV、MaaS向けなどに」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)