2019年2月6日、トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)の2019年3月期第3四半期の決算発表の中で、友山茂樹副社長は「コネクテッド戦略3つの顔」についてプレゼンで触れた。
発表ではコネクティッド戦略は3つの顔「守り」「改善」「攻め」があると話し、それぞれの競争力強化に向けた取り組み事例を示した。
■既存顧客をつなぎ止める「守り」
「守り」では、販売店におけるサービス入庫増とトヨタ・レクサス車への代替維持によって、既存顧客をつなぎ止めたい考えだ。
「eケア」というサービスを通し走行データを常時監視することで適切な走行アドバイスを行えるとともに、クルマの使用状態から最適なメンテナンスタイミングの提案を行い、販売店へのサービス入庫増と安心のカーライフを通じ代替維持を図る。
■常にクルマを最新状態に保つ「改善」
「改善」では、「EDER」と「OTA」を活用した取り組みを行う。
EDERは品質問題を早期に発見・改善し顧客にフィードバックすることを指す。DCMの車両データを適時収集し不具合発見と解析を行い、問題が発見されれば必要に応じ速やかに入庫案内連絡を行う。
OTAはクルマのソフトウェア更新があった際などに無線通信を経由し速やかに実装する技術。これら2つの取り組みを通じ、処置の効率化とコストの低減を図る。
【参考】関連記事としては「Over The Air(OTA)技術とは? 自動運転車やコネクテッドカーの鍵に」も参照。
■未来のクルマのあり方を見据えた「攻め」
「攻め」ではクルマの新価値創出と新たなモビリティ事業の創出を目指す。
現在同社の純正ナビに導入されているアプリ「エージェント1.0」では目的地の検索と設定などが音声で行えるが、次世代の「エージェント2.0」では人工知能(AI)を用いてドライバーに寄り添った関係性構築を目指す。
また、ソフトバンクグループとの提携を通じ自動運転車両の開発やライドシェアの実証実験、目的地までの交通機関を一つのサービスとして提供するMaaS事業分野の提携などを進める。
■3つの顔でコネクテッド化推進
2020年代以降には「つながっていて当たり前」の時代がやってくる。トヨタ自動車はこの3つの顔の取り組みを通して車両データや外部データをリアルタイムで収集・管理できるクルマのコネクテッド化を推進していく。
【参考】関連記事としては「コネクテッドカー・つながるクルマとは? 意味や仕組みや定義は?」も参照。