大手スーパーやネットスーパーが自動運転に投資し始めている。その代表格が、英ネットスーパーのOcado(オカド)や米小売大手のWalmart(ウォルマート)だ。それぞれ自動運転企業に投資しており、物流コストの削減に向けた無人宅配の実現へ本格的に動き出した。
■ネットスーパー:英OcadoはOxboticaへ投資
Ocadoは2021年4月29日までに、自動運転システムを開発するスタートアップの英Oxbotica(オックスボティカ)の1,000万ポンド(約15億円)分の株式を取得したと発表した。
OcadoとOxboticaは2017年にデリバリー試験事業で協業を開始し、英国で初となる自動運転EV(電気自動車)による配送サービスの実証実験を実施してきた経緯がある。
報道発表によれば今回の投資は、倉庫やラストワンマイルで活躍するAI(人工知能)駆動の自動走行システムを開発するためのもののようだ。
Ocadoはこのほかこれまでに、ロボットアーム開発企業を買収したり、ロボットスタートアップに投資したりしており、競争が激しくなりつつあるネットスーパー業界での勝ち残りに向けて本格的に動いている印象だ。
■実店舗型スーパー:米WalmartはCruiseへ投資
一方、実店舗でスーパー事業を展開する小売企業も負けていない。
例えば米ウォルマート。自動運転開発で世界をリードするGM Cruiseと2020年11月にパートナーシップを結び、2021年の年明けからクルーズの自動運転車を活用した非接触配達のパイロットプログラムをアリゾナ州で実施している。
さらに2021年4月には、Cruiseが実施中の投資ラウンドに参加し、同社の株式を取得する形で投資を行ったことを明らかにした。よりCruiseとの関係性を強め、急ピッチで無人宅配サービスを実現させようという狙いだろう。
【参考】関連記事としては「自動運転開発のGM Cruise、3兆円企業に!ウォルマートも出資」も参照。
■【まとめ】各企業による先行投資は続く?
2020〜2021年にかけては、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、配達サービスの市場が大きく拡大した。そんな配達サービスの利便性は、将来的に各スーパーの顧客数の増減に大きく影響してくるため、どの企業も気を抜かずに先行投資を続けていくとみられる。
【参考】関連記事としては「自動運転の宅配ロボット(デリバリーロボット)取組事例まとめ!」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)