EV(電気自動車)大手の米テスラの車載技術は、現在のところは「自動運転レベル2」(部分運転自動化)、つまり運転支援レベルにとどまるが、一方で自動運転技術の搭載に向けた動きも前進させている。
テスラは2021年9月16日までに、「FSD」のベータ版のVersion 10をテストに参加している利用者に提供し始めた。FSDは「Full Self-Driving」の略称で提供しているオプションサービスで、テスラは将来的にFSDを通じて自動運転機能を顧客に提供しようとしている。
■ベータ版Version 10の評価は?
報道などによれば、これまでの最新版であるVersion 9.2と比べると、能力が大幅に向上しているという。テストユーザーからの報告によれば、交差点や環状交差点での走行がスムーズになったとのことだ。
また、カーブが連続する坂道をVersion 10のFSDで難なく走行している様子が、以下のYouTubeで紹介されている。
Version 10について一部のテスターからは、「(テスラが標準搭載している)AutoPilotと変わらない」といったコメントもあるようだが、報道などによるとイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は今回のアップデートに、非常に満足しているようだ。
■FSDのサブスクサービスも展開中
ちなみにテスラはFSDのサブスクサービスを2021年7月からスタートさせている。価格は月額で199ドル(約22,000円)、機能は以下の通りとなっている。
- 自動追い越し
- 自動駐車
- 駐車場での出迎え
- 側道進入
- 信号機の自動認識
FSDを多くのユーザーが利用することで、走行データがテスラに送信され、そのデータを活用してFSDはさらに進化していく。テスラがこの好循環を生み、自動運転業界をリードする存在となっていけるのか、引き続き注目していきたい。
▼イーロン・マスク氏のTwitterアカウント
https://twitter.com/elonmusk
【参考】関連記事としては「テスラ、自動運転・ADASの年表!開発はどのように進んでいる?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)