株式会社JTBパブリッシング(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:今井敏行)は2020年10月2日までに、同社が提供している観光コンテンツ「るるぶDATA API」を、MaaSの実現を支援するためのシステム開発用APIを提供する「MONETマーケットプレイス」で販売開始した。
「るるぶDATA」はJTBパブリッシングが提供している観光情報コンテンツのデジタルデータベースであり、ガイドブック「るるぶ」に掲載している観光施設や店舗の情報をデジタルデータとして提供している。通常の観光地の情報だけでなく、イベントや花見・花火などの季節ごとの観光情報などを提供しているのが特徴だ。
ナビアプリの「NAVITIME」やNTTドコモの「ドコモ地図ナビ」などの観光情報データとしても用いられている実績があるほか、2020年3月にはトヨタ自動車などが主導するMaaSサービス「my route」とも情報連携を開始したことを発表している。
現在提供可能な国内観光スポット情報は約4万5,000件、イベントや宿泊情報も合わせた全体では約6万件にのぼり、国内観光情報はもちろん180以上の国・地域にわたる海外観光情報やインバウンド向けのニーズに合わせた日本の観光コンテンツも3言語(英語・繁体字・簡体字)で提供するなど多言語にも対応している。
このるるぶDATAを、API形式でMONETマーケットプレイスを通じて購入できるようになったわけだ。
【参考】関連記事としては「トヨタ系MaaS「my route」、るるぶDATAとの情報連携で進化!」も参照。
■MONETマーケットプレイスが正式オープン、仲間も増加中
「MONETマーケットプレイス」は、ソフトバンクとトヨタ自動車が共同出資して設立したMONET Technologies社が提供しているMaaSのシステム連携基盤「MONETプラットフォーム」において、必要なAPIを購入できるプラットフォームだ。
2020年4月にプレオープンし、MONETコンソーシアムに加盟している企業・団体向けの提供がされていたが、2020年9月28日に正式した。一般企業も利用可能となったほか、MONETマーケットプレイスに対してAPIを提供する企業も募集している。
今回の正式オープンにあたっては、るるぶDATAのほかにも、ゼンリンデータコムの地図情報API「いつもNAVI API」やウェザーニューズの「天気予報 API」などのAPIの提供が開始されている。
今後はオンデマンドバスのAPIや本人確認サービスのAPIなども提供される予定で、MONETマーケットプレイスが充実することで、MONETプラットフォームの重要性が増してきそうだ。
■MaaSプラットフォームの代表格に!?
MaaSは人やモノの移動をより便利にするが、影響を与える要因は幅広い。MONETマーケットプレイスにも認証や決済、観光や天候など交通事業者以外にも、移動を便利にする機能や、移動に影響を与える情報が集まりつつある。
MONETプラットフォームに様々な業界・業種からの知見が集められることにより、日本のMaaSプラットフォームとして代表的な位置付けを確立していくのか、今後に期待したい。
【参考】関連記事としては「MaaSとは?2020年代に実用化!意味や仕組みまとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)