新潟交通株式会社(本社:新潟県新潟市/社長:星野佳人)と日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区/社長:平岡昭良)は2020年3月、新潟市においてMaaSの実証実験とオンデマンドバスの実証実験を実施する。MaaSの実証実験は3月1日〜31日、オンデマンドバスの実証実験は3月2〜31日に実施する。
MaaS実証実験では新潟市住民向けのMaaSアプリ「りゅーとなび」で、新潟交通路線バスが1日乗り放題となる企画乗車券を販売する。付帯サービスとして、レンタサイクルやオンデマンドバス、商業施設で利用可能なクーポンも提供する。企画乗車券はアプリ上で購入でき、クレジットカード決済も可能だ。
オンデマンドバスの実証実験は土日祝日を除いて実施される。「りゅーとなび」の企画乗車券購入者は無料で利用できる。両実証実験とも結果を踏まえ、次年度以降も実証実験を重ねて将来的な本格稼働を目指す。住民の移動が活発化することで、地元経済に良い影響が出ることもねらう。
■「移動手段」としてだけではなく「観光情報」なども
MaaSは、さまざまな交通機関の検索・予約・決済を一つのアプリ上で完結させようという試みだ。さらにこうしたアプリで観光情報やショッピング情報などを発信すれば、よりMaaSアプリとしての情報の充実度は上がり、地域経済へも良い影響を与える。そういった意味でも、新潟市での実証実験は「MaaS×クーポン」という視点でも注目だ。
例えば、2018年と2019年に実施された横浜MaaS「AI運行バス」の実証実験では、アプリ上で気に行った観光地やレストランを見つけたあと「ここへ行く」をタップすると、ダイレクトにAI運行バスの乗車予約ができる。
複合的に移動手段を検索できるMaaSサービスにも注目だ。トヨタ自動車は九州エリアで複合検索が可能な「my route(マイルート)」の実証実験に取り組んでいる。
my routeでは、バスや鉄道、地下鉄などの公共交通機関をはじめ、タクシーやレンタカー、自家用車、自転車、徒歩などさまざまな移動手段を組み合わせたルート検索ができる。必要な予約や決済もワンストップで可能だ。そのほか、目的地周辺の店舗やイベントに関する情報も提供する。
MaaSはいままさにさまざまな企業がサービス開発に取り組んでおり、どんなサービス設計に最終的に落ち着くのかはまだ流動的だ。ただ観光情報やクーポンとの組み合わせは積極的に模索されており、将来的に普及するMaaSアプリでもこうした機能が搭載される可能性は高そうだ。
【参考】関連記事としては「MaaSアプリ、まとめて解説!新潮流、国内で続々リリース!」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)