近い将来、居酒屋の風景が大きく変わるかもしれない——。こんなことを思わせるトピックスが…。
オーダーエントリーシステムの企画・開発を手掛ける株式会社日本システムプロジェクト(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:勝山徹)は2020年8月13日までに、居酒屋チェーン「土間土間」で自動配膳ロボットを活用した実証実験を開始することを発表した。
実証実験で使われる「PEANUT(ピーナッツ)」は、中国の商業サービスロボットメーカーKeenon Roboticsが開発し、日本では日本システムプロジェクトが代理店として販売している自動走行ロボットだ。
飲食店のマッピングデータと複数のセンサーを駆使し、料理を自動で客席まで配膳してくれることが特徴だ。すでに中国やアメリカなどで導入実績があり、導入によって省人化や業務効率化が期待できる。
新型コロナウイルスの感染拡大が加速する中、土間土間はPEANUTを活用することで客と従業員の接触機会を減らすことができ、感染防止に有効だと考えた。この実証実験は10月末まで「土間土間 赤坂店」で実施するという。
■ソフトバンクが出資するBear Roboticsも開発
自動配膳ロボットは企業参入が相次いでいる分野で、いま熱い。特に先進国では人件費の高騰や人材確保の難しさが課題となっており、自動配膳ロボットはこれらの課題解決に結びつくと期待感が大きい。コロナ禍で注目は一層高まっている。
ソフトバンクが出資する米スタートアップのBear Roboticsも、自律走行が可能な配膳ロボットを開発している。Googleの元エンジニアであるJohn Ha最高経営責任者(CEO)は、自身のレストラン経営を通じて配膳の効率化に興味を持ったようだ。
Bear Roboticsの開発する自動配膳ロボットは、事前に店内の走行可能ルートやテーブルの位置を把握することで、自律走行で厨房から各テーブルまで料理を運ぶことができる。
■PEANUTが日本の居酒屋の風景を変えていく!?
PEANUTを開発したKeenon Robotics社は2010年に創業して以来、すでに2億元(約30億円)を資金調達し、技術の進化や導入先の増加に努めている。
日本で土間土間の赤坂店を訪れた人がPEANUTにどのような感想を持つのか、興味深い。PEANUTが日本の居酒屋の風景を変えていくか、今後も注目だ。
【参考】関連記事としては「福岡のとある居酒屋に、謎の自動運転配膳ロボット!」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)