モビリティ制御技術の開発に取り組むAZAPAエンジニアリング(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:井村義人)は2020年8月17日までに、富山大学と共同で小型の低速自動運転モビリティの開発を開始したと発表した。
法人向けには2023年から、個人向けには2025年から販売予定だという。報道発表では、車でも自転車でもない「誰もが気軽に、安全に活用できる、次世代の自動運転モビリティ」により、地域公共交通の課題を解消していくとしている。
■観光地やテーマパークでの活用にも期待!
免許返納後の高齢者や交通弱者の移動手段を確保し、どんな地域でもストレスなく移動が可能な社会を実現すべく、シニアカーをベースにした1人乗りの低速自動運転モビリティを開発する。最高時速は6キロだという。
自己位置を推定するのにGNSS(全球測位衛星システム)とモビリティに搭載されたカメラを使用するため、LiDARなどの高価な装置や電磁誘導型の自動運転などで必要なインフラ工事も不要で、より手軽に導入できるのが特徴であるようだ。
富山大学の堀田裕弘教授との共同研究で、自動運転に関する画像処理技術を検証し改善していく。コネクテッド技術も搭載し、遠隔で管理することで安全性やサービス性の高いモビリティにするという。
観光地での二次交通手段やテーマパークでのアトラクションとしての活用も想定し、地域の活性化と観光業の盛り上げに貢献することが期待されそうだ。
■自動運転技術活用のパーソナルモビリティ、開発加速
自動運転技術を活用したパーソナルモビリティの開発は国内でも活発化している。
例えばWHILLは車椅子型の自動運転パーソナルモビリティを開発しており、羽田空港での導入が2020年6月に発表された。空港内での長距離の歩行に不安がある人に提供される形だ。空港で人の搬送目的に自動運転モビリティが導入されるのは世界初だという。
ロボットベンチャーのZMPは自動運転車の開発で培った技術を生かし、1人乗りロボット「RakuRo(ラクロ)」を展開している。タブレットで行き先を設定すると目的地まで安全に移動できる。新たな移動インフラサービスとして社会に定着させることを目指しているという。
そのほか、自動運転化も視野に開発されているパーソナルモビリティもある。メルカリの研究開発組織「mercari R4D」と東京大学川原研究室・新山研究室が研究開発を進めている電動モビリティ「poimo(ポイモ)」が一例として挙げられる。
■【まとめ】いずれはさまざまな場所で目にするように
駅から自宅や観光地までのラストワンマイルを移動する手段として注目されるパーソナルモビリティ。日本を含む世界で開発が進み、いずれはさまざまな場所で目にするようになりそうだ。
AZAPAエンジニアリングと富山大学がタッグを組んでどのような技術を搭載したパーソナルモビリティが誕生するのか、楽しみだ。
【参考】関連記事としては「空港で世界初!羽田に自動運転パーソナルモビリティ WHILLが開発」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)