テスラで「ながらスマホ」可能に!マスク氏が言及

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米EV(電気自動車)大手テスラの最新バージョンのADAS(先進運転支援システム)では、運転中にスマートフォンを操作することが可能になることが判明した。

同社CEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏が明かしたところによると、最新の「FSD(監督付き)」を作動させれば、運転中にスマホのテキストメッセージを送ることができるという。(※FSDは「Full Self-Driving」の略称)

しかし、米国ではほぼ全ての州で「車の運転中のテキスト送信」が禁じられている。運転中のテキストメッセージ送信は、テスラの技術的には可能ではあるものの、現状は違法であり、今回のマスク氏の発言については今後波紋を広げる可能性もありそうだ。

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■投資家の投稿に対して…

あるテスラの投資家が2025年12月5日、X(旧Twitter)に「ちょっと待って……FSD v14.2.1 では運転中にテキスト送信できるの?? けっこう長い時間スマホを見てたんだけど……」と投稿した。FSDの最新のアップデートバージョンを作動した状態で運転中にスマホを使用しても、警告が表示されないことに気づいたという。

これにマスク氏が反応し、「周囲の交通状況によっては、yes」と返信している。ただし同氏はそれ以上の詳細情報を公開していない。そしてテスラには追加情報を提供できる広報チームも存在しないという。またマスク氏は、コメントを求めるメディアからのメールにも現時点では返答していないようだ。

■技術的に可能でも、米国では違法

運転中にスマホを操作できるほど、テスラの最新技術が向上したことは称賛に値する。しかし問題なのは、米国ではほぼ全ての州で「運転中のテキスト送信」が禁止されているということだ。また約半数の州では運転中のあらゆる「手持ち電話の使用」も違法とされている。

「Full Self-Driving」を直訳すると「完全自動運転」になるため勘違いされがちだが、現状ではADASにとどまる機能となっている。FSD(Supervised)はドライバーによる能動的な監視のもと、全ての運転に対応するよう設計されている。

ルート案内、ステアリング操作、車線変更、速度制御、駐車などを含む運転操作をインテリジェントかつ正確に実行する。高速道路などに限定せず、住宅街などを含む一般道路でも作動させることができ、信号や道路標識も認識し、信号に従って交差点でゆっくり車両を停止することもできる。

限りなく自動運転に近づいてはいるものの、あくまでドライバーの常時監視を必須とする自動運転レベル2・レベル2+に相当するのだ。

■公式な見解の発表はある?

たとえFSDの最新バージョンがながらスマホを可能にしているとしても、米国各州の法律が許してはいない。

これまでに、テスラのFSDや同じくADASの「Autopilot」の機能を誤認かつ過信したことによる事故やトラブルが何度も起きている。2025年9月には、テスラ車で走行中にドライバーが居眠りをしているように見える動画がSNSで拡散され、物議を醸した。また同じく9月にテスラのユーザーが運転中にハンドルから手を離して踊っている動画をTikTokに投稿し、炎上したこともあった。

新機能をリリースする際には、その国や地域の法律に準じた上でサービスを提供していくことが大前提となる。しばらくはマスク氏と同社から公式な見解の発表があるのかを注視する必要がある。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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