大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が、自動運転で24時間バスを運行させる計画を立てていることが、このほど判明した。バスの無人運転化を実現し、運転手不足の課題を解決するとともに、24時間いつでもどこでも乗車可能な運行サービスを提供する計画だ。
2035年までの計画案として挙げられた。大阪メトロはこれまでにも、地下鉄やバスで自動運転技術の実証実験を行ったり、現在開催中の大阪・関西万博で自動運転バスを運行したりと、自動運転の実装に積極的だ。
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■2035年の大阪で目指すもの
大阪メトログループでは、2035年の大阪が目指す姿として、現在予想されているさまざまな社会課題を乗り越えて、国際都市として世界中の人々が集い、競争力のあるアジアの玄関口として大きく進化している状況を想定している。
交通サービスとさまざまな日常の生活サービスが完全に融合し、必要なサービスが迅速かつ一体的に提供され、現在では考えられないほど便利で多様なライフスタイルが実現している世界を目指しているという。
そのために、2035年に向けた下記の「5つの達成目標」を掲げて時代の進化を先導し、多くの協業パートナーと共に大阪の発展に貢献していく構えだ。
- 日々の運行を支える日常業務と徹底した合理化・効率化
- 世界に誇る地下空間
- 圧倒的に便利な交通インフラ
- 交通を核にした地域開発
- 交通と日常生活サービスとの完全融合
そして2035年の地上での交通サービスにおいて同グループが目指すものとして、下記の11項目を挙げている。
- 自動運転による24時間運行
- シームレスな移動の実現
- 最新技術を活用した便利な新モビリティ
- 将来にわたる交通ネットワークの進化
- 施設利用との移動サービス連携
- フルモールエリアでのモビリティ提供
- お客さまのスケジュールに連動した最適な移動手段の提供
- 全車EVバス化と効率的な給電の実現
- サブスク型サービスの提供
- 充電ステーションの整備
- 総合運行監視センター
■空飛ぶクルマなどの実装も視野
大阪メトロは、自動運転バスによる24時間運行のほか、「シームレスな移動の実現」として、空飛ぶクルマや新たなパーソナルモビリティなど、多様なモビリティの実験・実装・連携を進め、新たな移動の選択肢を提供していく。
また「最新技術を活用した便利な新モビリティ」としては、低環境負荷で誰もが使いやすいモビリティを提供し、駅からのラストワンマイルの移動をサポートする。自動運転ロボットなどを想定しているようだ。
さらに「フルモールエリアでのモビリティ提供」では、歩行者空間エリアでスムーズに移動ができるとともに、人と多様なモビリティが安全に共存できる移動サービスを展開する。公開されているイラストによると、関西電力子会社のゲキダンイイノが開発しているような「自動運転で動く家具」といったモビリティが登場するのかもしれない。
「総合運行監視センター」については、無人運転化している鉄道・バスなどを一体的に運行管理し、自然災害発生時などの異常時に迅速・柔軟な対応を実現するという。
【参考】関連記事としては「東京で「自動運転で動く家具」がトレンド入り?(乗り物です)」も参照。
■都市型MaaS構想も掲げる
自動運転に関する取り組みを多数行っていることで知られている大阪メトロは、「e METRO」という都市型MaaS構想も掲げている。鉄道やバスなどの交通と、多数のサービスを一体的に提供することで新たな価値を創出し、大阪のまちづくりに貢献することを目指す構想だ。
全社的な取り組みを4層に分類して整理し、さまざまな企業や団体と協業しつつ、2025年度に向けて新たな事業を具体化してこれまでにない価値の創造を目指している。
具体的には、第1層として「最新技術でストレスフリーな移動」、第2層として「自由自在な移動のパーソナル化」、第3層として「フィジカル空間での生活・都市機能の整備」、第4層として「サイバー空間での生活を豊かにするサービス」という内容になっている。
自動運転のほか、MaaSにも力を入れている大阪メトロに引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「万博の自動運転バス、「車両も技術も国産」でレベル4認可を獲得」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)