2025年の実証実験開始に向け、建設が進められているトヨタの実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」。まだ全容は公開されていないものの、公式Facebookには少しずつ建設現場の写真が投稿されており、どんな建物ができるのかイメージがわきやすくなってきた。
そしてこのほど、Woven Cityのデジタルツイン(※現実世界のデジタルコピーをサイバー空間で表現したもの)の画像が公開された。Woven Cityの設計図とも言えそうな画像で、このような重要なデータをFacebookに投稿するとは、嬉しい驚きだ。まさか担当者がうっかり投稿してしまったのか。
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■Woven Cityの全体像が判明!?
Woven Cityの公式Facebookにて、「Woven Inventor Garageの技術 デジタルツイン」と題されたトピックが2024年8月7日に投稿されている。
▼【Woven Inventor Garageの技術 デジタルツイン】… – Woven City(ウーブン・シティ)| Facebook
https://www.facebook.com/WovenCity.JP/posts/910110241137650
デジタルツイン・プラットフォームでは、サービスやハードウェアを実際の街中で動かす前に、過去のデータに基づいて人や自動車の移動、交通事故を仮想空間上で再現し、モビリティ・人・街のインフラを含めたリアルなシミュレーションを行うことが可能になるという。投稿には、デジタル上で再現された街のデータのような画像が添えられている。
同年9月や10月には実際の建設現場の写真が投稿されており、メインの建物の様子が分かるようになっている。しかしその周辺を含めた全体像については、公式サイトでイメージ動画などが公開されているものの、詳しい部分は謎のままであった。
Facebookにアップされているデジタル画像では、建物が建ち並ぶ様子が細かく描かれており、どのように道路が走っているのかなども知ることができる。完成後のWoven Cityの様子が想像でき、今後の公開に期待が高まる。
【参考】関連記事としては「自動運転とデジタルツイン(DigitalTwin)技術の現状解説(2024年最新版)」も参照。
■そもそも「Woven City」とは何?
Woven Cityは、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地を活用して建設が進められている実証都市だ。豊田章男前社長が、2020年1月にこのプロジェクトを発表し、2021年2月に着工した。
東京ドーム約15個分の広大なエリアに人が住み、モビリティのためのテストコースとして活用する予定で建設が進んでいる。この地で行われるのは、トヨタが掲げる「幸せの量産」を目指したさまざまな実証実験だ。
Woven Cityは「モビリティのためのテストコース」と位置づけられており、エリア内の地上・地下に独自の動線を設ける計画になっている。地上には、自動運転車のための道と歩行者のための道、歩行者と低速移動するパーソナルモビリティのための道の3種類の通路を設ける。地下にはモノを運ぶための道を設け、物流ネットワークを支える設備を設置する予定のようだ。
■2025年にフェーズ1での実証スタート
Woven Cityの公式Facebookでは、2024年9月上旬に撮影した建設現場の写真が9月25日に投稿されている。「広場の工事にも着手し、最初に実証実験を始めるエリアであるPhase1での2025年の実証開始に向けて着実に工事が進んでいます」との内容になっている。
実は当初、実験を始めるエリア「フェーズ1」の建物工事については「2024年夏に完了」とされていたが、その後「2024年内に完了」との予定に変わっている。現在は「Phase1での2025年の実証開始」という表現に変化しているようだ。
工事完了時期については明示されていないが、2025年中にフェーズ1での実証実験がスタートするのは決定事項のようだ。新たに造成され人も住むという実証都市は、世界でもかなり珍しい。一体どんな街が出来上がるのか、完成後には一般公開されることを心待ちにしている人は多いはずだ。
【参考】関連記事としては「トヨタシティ、工事に遅れ?完成時期「夏」→「年内」に表現変わる」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)