貨物鉄道と自動運転トラックの「コンテナ規格」を統一化する取り組みが始まる。三井物産が設立したT2が日本貨物鉄道(JR貨物)とともにプロジェクトを開始する。システム面での連携も推進し、輸送キャパシティの維持・拡大と安定的な輸送の実現に貢献する。
T2が2024年2月14日までに発表した。JR貨物はT2のシリーズA追加ラウンドに資本参加し、JR貨物の犬飼新社長は「貨物鉄道と自動運転トラックの双方で利用可能なコンテナの開発を進めることで、輸送の利便性も向上します」とコメントしている。出資額は公表されていない。
■連携輸送の取り組みに着手
T2は2022年8月に三井物産によって設立され、日本のユニコーン(時価総額10億ドル以上の非上場企業)であるPreferred Networksから技術提供を受け、自動運転トラックの開発や自動運転トラックを活用した幹線輸送サービスの事業化に取り組んでいる。
T2は、全国に広がる鉄道ネットワークを有するJR貨物とタッグを組むことで、貨物鉄道と自動運転トラックの強みを活かした連携輸送の取り組みに着手する。
T2の森本成城CEO(最高経営責任者)は「JR貨物に、日本の物流を共に支えるという大義を成すことを目指す仲間として加わって頂けること、大変心強く思います」としている。
■自然災害などに備えて
報道発表では「モーダルコンビネーション」というワードが使用されている。さまざまな輸送方法の連携を最適化させる取り組みのことで、両社は貨物鉄道と自動運転トラックを連携させることで、モーダルコンビネーションを推進するという。
具体的には、コンテナ規格の統一化やシステム面での連携のほか、自然災害などによってどちらかの輸送手段が動かなくなった場合、貨物鉄道と自動運転トラックを切り替えて輸送を維持する取り組みも進めるという。
■資金調達が続くT2に注目
T2の資金調達が続いている。2023年6月に12億5,000万円、9月に35億円、10月には7億円の調達を発表している。
自動運転レベル4のトラックに関する事業を手掛けている企業は、日本国内ではそう多くはない。そんな中、T2がどこまで業界をリードすることになるのか、引き続き注目したい。
【参考】関連記事としては「12億、35億…からの7億!自動運転企業T2、資金調達すごい勢い」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)