テスラの完全自動運転ソフト、「名前負け」で突然20%値下げ?

販売価格が1万5,000ドルから1万2,000ドルに

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米EV(電気自動車)大手テスラは2023年9月5日までに、「完全自動運転ソフト」として展開しているFSD(Full Self-Driving)のアメリカにおける販売価格を、1万5,000ドル(約220万円)から1万2,000ドル(約175万円)に値下げした。

3,000ドルの値引き、すなわち20%オフとなった形だ。日本円に換算すると約45万円の値引きとなる。ちなみにこの販売価格は「売り切り」の価格で、サブスクリプションの価格は月額199ドルから変更はない。

■FSDの値下げの理由は?

テスラは約1年前にFSDの販売価格をβ版10.69のリリースに合わせて1万2,000ドルから1万5,000ドルに値上げしていた。

ちなみにカナダでもFSDの販売価格は値下げされており、1万9,500カナダドルから1万6,000カナダドルになった。一方、イギリスやノルウェーでの販売価格は変更されていないようだ。

テスラがFSDの価格をアメリカやカナダで値下げした明確な理由は分かっていないが、テスラは最近も上位車種の「モデルS」や「モデルX」の価格を引き下げるなど、価格の値下げを相次いで行っている経緯がある。

またFSDに関しては、そのソフトウェア名(Full Self-Driving、つまり完全自動運転)の通りに自動運転機能が使えるわけではないことから、値下げに踏み切らざるを得なかった可能性もある。

確かにFSDの名称についてはこれまでもアメリカ当局からたびたび指摘を受けている。今回の値下げはソフトウェアの「名前負け」が要因なのか。

■将来的には自動運転機能を実装へ

なおテスラは将来的にFSDのアップデートにより自動運転機能を提供する方針であることを明らかにしている。テスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏も、早期に自動運転機能を実装することを何度もX(旧Twitter)などで明言している。

FSDの価格は過去に何度も値上げされてきたが、ここにきて値下げを行った。マスク氏は今後の価格戦略をどう考えているのか、興味深い。

【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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