米連邦航空局、「空陸両方」の空飛ぶクルマに特別耐空証明書

30万ドルで予約販売中の「モデルA」に

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出典:Alef Aeronauticsプレスリリース

空飛ぶクルマを開発する米Alef Aeronautics(アレフ・エアロノーティクス)はこのほど、同社が開発する「空陸両方」の機体「モデルA」について、米連邦航空局(FAA)から「特別耐空証明書」(Special Airworthiness Certification)を取得したことを発表した。

CNNの報道によれば、この証明書の取得によってAlef Aeronauticsは米国内でモデルAを限定的な目的で使用することができるようになるという。限定的な目的とは「展示」や「研究開発」などのことを指す。

また報道によると、今回の証明書の交付について、FAA側は「全米で初のことではない」としている。一方、Alef Aeronautics側は、道路も空も移動できる機体として証明書の交付を受けたのはアメリカで初のことだと強調している。

■「空陸両用」の空飛ぶクルマ

Alef Aeronauticsはカリフォルニア州に本拠地があるeVTOL(電動垂直離着陸機)の開発企業だ。FAAから許可を受けた機体は「モデルA」という名称がつけられており、空も飛行でき、道路も走行できる「空陸両用」の空飛ぶクルマとなっている。

現在各社が開発している空飛ぶクルマは空でしか移動できないタイプが多く、日本語で「空飛ぶクルマ」と呼ぶことに否定的な声も少なくないが、Alef AeronauticsのモデルAは正真正銘の「空飛ぶクルマ」と言える。普通の駐車場に機体を停めることもできるという。

モデルAは乗員が1〜2人で、道路における航続距離は200マイル(約320キロ)、空における航続距離は100マイル(約160キロ)とされている。

ちなみにAlef AeronauticsはすでにモデルAの機体の予約注文を受け付けており、価格は1機30万ドル(約4,200万円)で、最初の納品は2025年末が予定されている。

■資金調達に弾みが付く可能性

Alef Aeronauticsは2015年に設立され、同社への出資者としてはDraper AssociatesやImpact VC、Draper B1、Bronco Ventures、Strong VCなどがいる。

同社は最近になって新たな資金調達ラウンドをスタートしており、今回の特別耐空証明書の取得によって資金調達に弾みが付く可能性がありそうだ。

▼Alef Aeronautics公式サイト
https://alef.aero/

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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