トヨタが静岡県裾野市に建設中の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」で、最初に実証を開始するフェーズ1の建設工事がスタートしているようだ。
Woven Cityの公式Facebookでは、2022年12月31日に年末の挨拶とあわせて、「2022年もWoven Cityは『幸せの量産』をめざして、着実に歩を進めてきました。最初に実証を開始するPhase1の建設工事も始まり、これを出発点にその後も永遠に『未完成の街』として改善・進化を続けていきます」と投稿している。
そして、2023年1月13日には工事現場の写真とともに「最初に実証を開始するPhase1の建設工事が着々と進んでいます!『幸せの量産』を目指し、日々Woven Cityは前に進んでいきます」との投稿がある。
大規模な骨組みが作られ、クレーン車など複数の工事車両の写真がアップされている公式Facebookからは、開業へ向け順調に建築工事が進んでいることがうかがえる。
■一から新たな都市・まちを構築
Woven Cityは、2020年1月に米ラスベガスで開催された世界最大の技術見本市「CES 2020」のトヨタプレスカンファレンスで、トヨタの豊田章男社長自らが発表した一大プロジェクトだ。
2020年末に閉鎖したトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地(静岡県裾野市)を再開発し建設が進められ、一から新たな都市・まちを構築している。構築の過程を含め、新都市ではパートナー企業とともにモビリティやロジスティクス、IoTなどさまざまな領域の先端技術を検証していく。新たな技術やサービスの実証・導入に特化した都市だ。
Woven Cityは街全体がテストコースになっており、トヨタが目指す「幸せの量産」を実現すため、12の分野で実証実験が行われる。
「Mobility(モビリティ)」や「Logistics(物流)」といった移動サービスだけでなく、「Education(教育)」や「Agriculture Food(農産食品)」といった生活に欠かせない分野も実証対象とされる。
Woven City事業はトヨタの子会社「Woven Planet Holdings」が手掛け、CEO(最高経営責任者)にジェームス・カフナー氏を迎え、豊田章男社長の長男である大輔氏がプロジェクトのリーダーの1人に抜擢されたことでも注目を集めている。
■開業後早速、自動運転技術の実験開始?
Woven Cityの開発地は約70万8,000平方メートルで、第1期エリアは敷地南端の約5万平方メートルとなっている。トヨタの従業員と家族、プロジェクト関係者などをはじめ、第1段階として360人程度が実際にWoven Cityに住むことを予定しているようだ。
フェーズ1の開業とともに、早速、自動運転技術やロボット、AI(人工知能)などの検証・実験がスタートするのか、注目したい。
【参考】関連記事としては「トヨタWoven City、初期住民は8種類!自動運転を試す実証都市、いつオープン?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)