広い駐車場の「わずらわしさ」を自動運転で解決!三菱重工の挑戦

自動バレーパーキングの実証フェーズ2

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出典:三菱重工業プレスリリース

三菱重工グループはフランス企業のスタンレーロボティクスと共同で、自動搬送ロボット「Stan」を使った自動車の自動バレーパーキングのフェーズ2となる実証実験を、2022年12月18日にかけて千葉県印旛郡の「酒々井プレミアム・アウトレット」で実施すると発表した。

■フェーズ2ではスマホアプリを導入

今回は新たに開発したスマートフォンアプリを導入し、入庫から車両搬送、駐車、出庫の過程を無人で実行する自動バレーパーキングの実証を実施する。酒々井プレミアム・アウトレットの関係者駐車場を使って、施設関係者車両を対象に行うようだ。

なお、2022年6月に行われたフェーズ1の国内商業施設における日本初の自動バレーパーキング実証実験では、自動搬送ロボットによる搬送性能を検証し、利用満足度の評価を行っている。

スマートフォンアプリを使って出庫状況や混雑状況を確認できることで、利用者は駐車待ち時間を大幅に短縮できるという。鍵をかけた状態で車両を預けられ、利便性はもちろん、新型コロナウイルスの感染リスク低減や防犯にも寄与する。

事業者にとっては、駐車に関する時間を利用者に取らせないことで、ショッピングや食事の時間を増やせるメリットがある。さらに、都心部の駐車スペースが小さい駐車場においては、効率よく駐車できることで、スペースを最大限に活用して車両を収容することが可能だ。駐車場内を人が歩かないことで、事故も発生しなくなる。

実証エリアの地図とスマートフォンアプリ画面のイメージ=出典:三菱重工業プレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)
■Stanによる自動バレーパーキングの手順
入庫

利用者は施設近接の「バース」と呼ばれるところに、乗り捨て感覚で駐車できる。駐車スペースを探す煩わしさや、駐車後に駐車スペースから歩く必要もない。

自動搬送

Stanがバースに止められた車両を引っ張り、ロボット駐車エリアに自動搬送する。限りのある駐車エリアを効率的に利用することで収容率が上がる。さらに、ロボット駐車エリアには利用者が入れないため、駐車エリアでの事故や車上荒らしを防止できる。

出庫予約

利用者は帰る前にスマートフォンアプリで出庫予約できる。予約時間に合わせてStanが車両をバースまで自動搬送してくれる。アプリで搬送状況を確認できるため、出庫までの時間を買い物や食事で有効に使える。

出庫

予約時間にバースに車両が準備されたら、利用者は広々としたバース内で荷物を積み込める。荷物を持ったまま、または雨の中を遠い駐車場まで歩く必要はない。

■駐車の煩わしさからの解放

バレーパーキングは、駐車するときに係員が駐車作業を運転手に代わってしてくれるサービスのことだ。海外では一般的だが、日本では一部の高級ホテルやレストランなどでしか導入されておらず、あまりなじみがない。

バレーパーキングが自動化されることで係員が必要なくなり、小さい駐車場でもスペースを有効に使えるようになる。

世界に先駆けて自動バレーパーキングサービスを展開するスタンレーロボティクスとの取り組みにより、国内の商業施設や空港、テーマパーク、複合施設、病院などで、利用者にも事業者にもメリットだらけの自動バレーパーキングが導入される日が待ち遠しい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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