自動運転タクシー、「世界初」はGAFAMのどの企業?

すでに商用サービスがスタート

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出典:Waymo公式サイト

現在、さまざまな企業が自動運転モビリティの研究開発を行なっており、すでに「完全無人」の自動運転タクシーも走行している。

では、世界で初めて完全無人の自動運転タクシーを商用化したのは、どの企業か知っているだろうか。Google、Apple、Facebook(現Meta)、Amazon、Microsoftの「GAFAM」の中のどれかの企業だ。果たして正解は?

■世界初は「Google」、傘下のWaymoが展開

正解はGoogleだ。Googleは2009年から自動運転車の開発に着手している。2016年12月に自動運転開発部門が分社化してWaymo(ウェイモ)が誕生し、このWaymoがのちに完全無人の自動運転タクシーを商用展開することとなった。

「完全無人」を実現する前に、Waymoは2018年12月からセーフティドライバーを乗せた状態での自動運転タクシーサービスを展開している。その後、一部サービスを完全にドライバーレス化した。2019年末ごろの話だ。

ちなみにWaymoの自動運転タクシーサービスは「Waymo One」と呼ばれている。

▼Waymo公式サイト
https://waymo.com/

■展開エリアを拡大、カリフォルニア州でも
出典:Waymo公式サイト

展開エリアも拡大している。当初はアリゾナ州フェニックスで展開をし始め、2022年2月にはカリフォルニア州で許可を得て、サンフランシスコの市民はWaymo Oneのアプリをダウンロードして自動運転タクシーサービスを利用できるようになった。

そして2022年10月には、同州最大都市のロサンゼルスでも自動運転タクシーサービスを開始する予定であることを発表した。サービスローンチの地であるフェニックスでもサービス拡大に力を入れており、ダウンタウンだけではなく、空港と市街地を結ぶ道路でもサービスを開始することを発表している。

米国の自動運転タクシー事業者が、空港への有償送迎を開始するのはこれが初めてだという。当初の数週間はセーフティードライバーが同乗するが、その後は完全ドライバーレスとなる予定のようだ。

■参入企業はGoogleだけではない

Waymoは自動運転タクシー事業拡大だけでなく、米物流大手UPSの配送業務の一部支援を開始するなどしており、物流分野での事業展開にも積極的な姿勢を示している。

ちなみにGAFAMに関しては、Appleは自動運転車を開発していると言われており、Amazonは自動運転配送ロボットの開発実績がある。Microsoftはクラウドサービスの提供などを通じて同市場にアプローチをかけている。

Appleは2014年ごろから技術開発をスタート

Appleは「プロジェクト・タイタン」という名称で、2014年ごろから自動運転技術の開発を始めたとされている。公式には自動運転車の開発などについて発表していないが、Appleが自動運転の実証実験のためにカリフォルニア州から許可を得ていることなどから、現在も開発を進めていることは明白だ。

アップルは自社で自動車の組立工場を保有していないことから、実際に車両を開発するとなると、完成車メーカー(OEM)などに製造を委託するものとみられる。すでに複数のメーカーと交渉しているとの情報もあり、いつAppleが「Apple Car」を発表するのか、気になるところだ。

【参考】関連記事としては「Apple Car暫定情報(2022年最新版) 自動運転化される?」も参照。

Amazonは自動配送ロボを開発したが・・・・・・
出典:Amazonプレスリリース

EC(電子商取引)で世界大手のAmazonは、配送に自動運転ロボットを活用できないか模索してきた。そのために試作機として「Scout(スカウト)」というロボットを開発し、公開実験を行ってきた経緯がある。

しかし2022年10月に入り、AmazonがScoutの公開実験を停止することが明らかになった。顧客のニーズとマッチしなかったことが理由とされており、実際に公開実験でScoutを利用したユーザーからの反応が良くなかったと予想されている。

【参考】関連記事としては「実は役立たず?米Amazon、自動配送ロボの公開テスト中止」も参照。

■Metaもいよいよ自動運転市場に参入する?

一方、Metaはまだ自動運転市場に参入していない。自動運転市場に参入するGAFAM最後の企業として、Metaも自動運転車の開発などに乗り出すのだろうか。

【参考】関連記事としては「自動運転タクシーとは?(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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