プロ・アマ問わず、ランニングをしている人の中には「ペースメーカー」が欲しいと思っている人は少なくないはずだ。設定タイムに合わせて先導してくれる人がいればペースを保ちやすい。1人で走るよりもモチベーションも下がりにくいかもしれない。
もしかしかたら将来、自動配送ロボットを開発している企業が、ランニング用のペースぺーカーロボットを製造・販売してくれるかもしれない。自動配送ロボットの技術を活用すれば、一定のペースでランナーの前を走行することは、そう難しくない可能性が高いからだ。
ペースメーカーロボットには、一度の走行可能距離の長さ、一定以上の速度、芝生や土の上も走行できるかといった走破性も必要となってくるが、将来、商品配送の実際の現場で使われるようになった自動配送ロボットたちは、これらの「能力」は恐らく持っており、技術の転用は十分に可能だと考えられる。
記事の目次
■どんな企業から発売されるだろうか?
ではどのような企業が実際にランニング用のペースメーカーロボットを製造・販売してくれるだろうか。勝手ながら、この記事ではそうした可能性がありそうな日本企業を挙げてみた。
ZMP:製品のラインナップが多いだけに・・・
まずは、国内配送ロボットのパイオニア的存在なZMP。同社は「DeliRo(デリロ)」の商用展開を進めている。複数ロッカータイプもあり、最大50キログラムまで積載できる。新シリーズモデルとして、宅配ボックスの代わりにオープンな荷台のある「DeliRo Truck(デリロ トラック)」も登場している。
製品のラインナップが多いことでも知られるZMPだけに、ランニング用のペースメーカーロボットの製造にも期待が持てるかも?
ティアフォー:高い技術でシステム開発は容易?
世界的に知名度が高いティアフォーは、主に自動運転OSを開発している大学発スタートアップだが、小型自動搬送ロボットとして「Logiee S1(ロージー・エスワン)」を開発していることでも知られている。
自動運転OSを開発する高い技術力を持っていることもあり、ランニング用のペースメーカーロボットに特化した自動走行システムを開発することも、同社にとってはそうハードルが高いことではなさそうだ。
パナソニック:すでに水面下で開発を開始している?
パナソニックも自動配送ロボット開発を進めており、神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」で実証を実施した実績などがある。楽天による自動配送ロボットの実証でも、パナソニックの自動配送ロボットが使用されている。
パナソニックは、健康家電や美容家電なども展開しているだけに、ランニング用のペースメーカーロボットを開発し始めても、決して驚くことではない。実はすでに水面下で開発を初めているかもしれない。
■あまりにも高価だと買い手は少ないかも
そのほか、トヨタやホンダなどの自動車メーカーも、自動配送ロボットの開発に本腰を入れ始めており、候補として挙げておきたい。
2021年7月、ホンダは楽天グループと自社開発した自動配送ロボットの走行実証実験開始を発表している。一方トヨタはWoven Cityの地下道を走る物流専用の自動運転ロボット「S-Palette」の存在を、トヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」において明かしている。
もちろん、あまりにも高価なペースメーカーロボットだと開発しても買い手が少ないかもしれないが、もし発売されれば一度は試してみたいと思うランナーは多いのではないか。
【参考】関連記事としては「自動運転の目的・メリット(2022年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)