自動運転業界で存在感が高い中国のスタートアップ企業の1社にPony.aiがある。自動運転タクシー事業の展開に注力しており、中国ではすでに「タクシー企業」と認められ、今後、従来型の手動運転のタクシーと同じように、多数の営業車両を公道で展開するものとみられる。
そんなPony.aiに関して新たな動きがあった。中国最大の重機メーカーであるSANY(三一重工)とPony.aiが戦略的合弁会社を設立するという。この合弁会社は新たな自動運転トラックブランドを設立・展開するために設立されるようだ。
■レベル4トラックを2024年から量産へ
報道などによると、合弁会社で展開する自動運転トラックの自動運転レベルは「レベル4」。自動運転レベル4は走行エリアは限定されるものの、そのエリア内では人間が運転に関与せずに安全運行ができる技術水準を指す。
合弁会社では、2022年内にレベル4の自動運転トラックの製造を開始し、2022〜2023年にかけて顧客に対して納品を開始する予定だという。本格的な量産は2024年からの計画で、数年以内に年間生産1万台の体制を目指すという。
合弁会社の設立はこれからだが、すでにレベル4の自動運転トラックの実証実験は始まっているという。SANYが開発しているEVトラックを自動運転化する方向でプロジェクトが進んでいるようだ。
■数年で一気に加速している自動運転トラック
自動運転トラックの開発は、ここ数年で一気に加速している。
詳しくは自動運転ラボの記事「自動運転トラックの開発企業・メーカー一覧(2022年最新版)」を参考にしてほしいが、Embark Trucks、TuSimple、Plus、Kodiak Roboticsなどと、スタートアップだけでもたくさんあり、ボルボやダイムラー、ヒュンダイなども開発を強化している。
中国の重機最大手SANYとPony.aiのように、メーカーと自動運転スタートアップがタッグを組む例も増えてきた。例えばボルボ・トラックスは米Aurora Innovationと自動運転トラックのプロトタイプを発表している。
こうした動きは世界的にますます目立っていきそうだ。
【参考】関連記事としては「米テキサス州、自動運転トラックの「メッカ」に」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)