米EV(電気自動車)大手テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)はこのほど、同社が有料オプションとして展開する高度運転支援システム「FSD」のβ版のユーザー数について、2022年末までに100万ユーザーを目指すことを明らかにした。
マスク氏は5月16日にフロリダ州で開催されたイベントにスピーカーとして登場し、この目標を語った。
報道によれば、FSDのβ版のユーザー数は現在約10万人。ほとんどのユーザーはアメリカ国内でテスラ車を所有している人で、一部、カナダにおけるテスラ車のオーナーもユーザーに含まれるという。
報道によれば、テスラのこれまでの販売データによると、現在のところアメリカ国内では約140万台のテスラ車があり、2022年末までにさらに100万台近く販売される見通しとなっている。
つまり、2022年末までにアメリカ国内のテスラ車は240万台規模となる見込みで、FSDのβ版のユーザー数で100万人を達成するためには、少なくとも約4割のテスラ車のオーナーがFSDのβ版のユーザーとなる必要がありそうだ。
■徐々に値上げされるFSDの価格
テスラが有料オプションとして展開しているFSDのソフトウェア名は「Full Self-Driving」を略した言葉だ。Full Self-Drivingは日本語では「完全自動運転」という意味だが、いまのところは技術レベルは運転支援機能にとどまる。
一方、マスク氏はこのFSDを無線アップデートすることで将来的に自動運転機能を実装すると説明している。
このFSDの価格は2022年4月時点で「買い切りプラン」が1万2,000ドル、「サブスクプラン」だと月額200ドルで、これらの価格は徐々に値上げされている。そのため、FSDをより安く利用したい場合は、買い切りプランで早めに購入する必要がある。
こうした価格の値上げ戦略は、FSDのユーザー数を早期に増やそうというねらいがあるとみられる。「2022年に100万ユーザー」という目標が達成されるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術(2022年最新版) モデル3に搭載?日本で可能?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)