自動配送ロボットを開発する中国のスタートアップ企業Whale Dynamic(ホエール・ダイナミック)は2022年3月24日までに、アメリカで自動配送ロボットの展開を図るため、シードラウンドにおいて約250万ドル(約3億円)の資金調達を完了したことを発表した。
資金調達は北京の投資会社であるQianchuang Capitalが主導した。
■創業者は百度の自動運転グループ出身者
Whale Dynamicは、Baidu(百度)の自動運転グループでプロダクトマネージャーを務めたDavid Chang氏が2018年に設立した企業だ。自動配送ロボットの開発チームを率いるのは、中国通信大手のファーウェイ出身のエンジニアリングディレクターだという。
同社が開発しているのは、米シリコンバレーのスタートアップ米Nuroに見た目が似たタイプの自動配送ロボットだ。そもそも人が乗ることが前提としてデザインされておらず、当然、運転席もなければハンドルもない。
2022年5月中に中国国内でプロトタイプ車両のテスト走行を「低コストかつ迅速に」(Chang氏)行う予定で、その後、アメリカでスーパーマーケットなどの小売店や配送業者などをターゲットに、事業を展開させる流れだという。
■「コスト面でNuroに勝っている」と自信
Whale Dynamicの自動配送ロボットの開発チームは現在約30人。今後、人員を拡大して開発スピードを加速させる。
Chang氏はNuroに対抗する野心を持っている。Nuroはアメリカにおける自動配送ロボットの最有力企業だが、Chang氏は「コスト面でNuroに勝っている」と自信を口にしている。自動配送ロボットのパーツの製造から組み立てまで、全て中国国内で完結させるからだという。
ただし、Nuroをすでにアメリカビジネス規模を拡大しており、Whale Dynamicの一歩も二歩も先をいっている。そのため、Nuroを抜くことは簡単ではない。いずれにしても、同社がNuroに追いつけるか、今後の事業展開の行方に注目したい。
▼Whale Dynamic公式サイト
http://www.whaledynamic.com/
【参考】関連記事としては「Nuroの年表!自動運転配送ロボットを開発、トヨタが出資」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)