自動運転技術を開発する韓国のスタートアップ「42dot(フォーティートゥドット)」。2021年12月から韓国の首都ソウルで有料の自動運転タクシーサービスを開始しており、韓国の自動運転開発企業として知名度を高めている。この42dotとはどんな企業だろうか。
■NAVERのCTOが2019年に設立
42dotは2019年、韓国のネット大手ネイバー(NAVER)のCTO(最高技術責任者)であったソン・チャンヒョン氏によって設立された。
同社は「aTaaS(autonomous Transportation-as-a-Service)」というミッションを掲げる。日本語では「自動運転交通サービス」といった意味だ。自動運転車やドローン、ロボットなどを駆使し、人とモノの移動全てを自動運転化することを目指している。
ちなみに同社に投資している企業としては、現代自動車(ヒュンダイ)や起亜自動車(KIA)、LG電子といった韓国の大手企業が名を連ねている。
■42dotが開発する「UMOS」とは?
42dotは現在、自動運転タクシーを展開しつつ、輸送手段の統合プラットフォーム「UMOS(Urban Mobility Operating System)」の開発に力を入れている。UMOSでは、地上を走行する自動運転車や自動配送ロボット、空を飛行するドローンを一元管理できるという。
このUMOSは輸送手段の一元管理だけではなく、自動走行技術を向上させるソリューションや、自動運転のためのマップを構築するためのソリューションも含まれている。将来的にはaTaaSをUMOSで実現させる考えなのだろう。
■今後は事業拡大のスピード感が試される
ソウルで展開している自動運転タクシーでは、起亜自動車の「ニーロEV」をベース車両として使用しており、万が一のためにセーフティードライバーが乗車する形態で運行されている。
利用方法は簡単で、同社が開発した「TAP!」アプリを使えば、利用者から最も近い自動運転車が配車されるという。
シリーズAラウンドで韓国最大規模の1,040億ウォン(約100億円)を調達したことでも注目を集めている42dot。今後は事業拡大のスピード感が試されそうだ。
▼42dot公式サイト
https://42dot.ai/
【参考】関連記事としては「韓国でも活用進む「自動宅配ロボ」!法改正で公道走行解禁へ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)