タクシー業界や一部自治体が反対を表明し、日本ではライドシェアの規制緩和がなかなか進まない。
そんな中、山梨県都留市で、「お金」ではなく「ポイント」をやり取りする形の学生向けライドシェアサービスの実証実験が2022年2月21日〜3月15日に実施される。学生が運転し、学生が乗るという、ライドシェアサービスだ。
■ドライバーも乗客も学生、ポイントで無料利用
MaaSや物流サービスを開発・研究するベンチャーPathfinder株式会社(本社:東京都板橋区/代表取締役:小野崎悠介)は、山梨県都留市の官民連携まちづくり法人「一般社団法人まちのtoolbox」とともに、「都留 学生向けモビリティ実証実験」を実施する。
移動が不便で街に出る機会が少ない学生の現状を考慮し、学生の回遊増加を目的とするもので、都留市在住または市内の大学に在学中の学生に「循環型ライドシェア」などのサービスを提供するという。
循環型ライドシェアは、学生へのアンケート結果で希望の多かった都留市内の7カ所のスポットを循環する。LINEを使って予約でき、独自の「ライドポイント」という仕組みを取り入れ、ポイントを使って無料で乗車できる。
ライドポイントは利用登録時に2ポイント、毎週配布される2ポイントのほか、ドライバーになることで1回10ポイントを獲得できる。ちなみにライドポイントは友人にプレゼントもできるという。
■Pathfinderの今後、そして実証の成果に注目
Pathfinderは、大手総合商社で自動運転開発に携わっていたメンバーが中心となり、2020年に設立されたモビリティサービスの研究開発企業だ。社名のPathfinderは火星探査機Mars Pathfinderに由来している。
同社は2020年のアプリコット・ベンチャーズによる起業家向け支援プログラム「FLAP」に採択されており、自動運転社会の到来に向け、企業と個人の両方にアプローチする車両効率最大化プラットフォームを開発している。
そんな同社が展開する新たなライドシェアサービス。このサービスと同時に「ローカライド」というカーシェアリングサービスの実証も行い、効果を検証していくようだ。実証の成果、そして同社の今後に注目していきたい。
【参考】関連記事としては「ライドシェアとは?日本でも解禁される?デメリットやトラブルは」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)