米Cerence(セレンス)が開発した車内音声アシスタント「Cerence Co-Pilot(セレンスコパイロット)」が、世界最大の技術見本市「CES 2022」でイノベーションアワードを受賞した。
Cerence Co-Pilotがどのような車内音声アシスタントを知るには、まず以下のvimeoの動画を見るのが早い。ドライバーとCerence Co-Pilotが会話をしており、Cerence Co-Pilot側がさまざまな情報を音声でドライバーに提供している。
動画では、1年ごとのメンテタンスのタイミングが近づいていることなどを知らせるシーンがあるが、プレスリリースによれば、乗員の視線やジェスチャー、車外に設置されたセンサー、位置情報などから、さまざまなアドバイスを乗員に対して行うという。
■メルセデスやトヨタに音声技術を提供
セレンスの技術はすでに大手自動車メーカーに採用されている。2020年12月には、同社の音声関連技術がメルセデス・ベンツのマルチメディアシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」の第2世代に採用されたと発表した。
声紋認証などの生体認証技術を活用したパーソナライゼーションとセキュリティ強化より、電話応答やナビゲーション地図表示など特定のアクションにおいては、「ハイ、メルセデス」というワードさえも使わずに利用できる。全座席からの音声を個別に判別することもできるという。
さらに、セレンスはトヨタ自動車の車載向け音声対話サービスに対してクラウドベースの音声認識技術を提供している。2021年1月にはクラウドサービスのホスティング拠点を日本に開設した。国内にホスティング拠点ができたことで、音声認識のレスポンス向上とよりスムーズなユーザー体験が可能になった。
■車内音声アシスタントの領域で存在感
車内音声アシスタントの領域での技術力を高めているセレンス。大手自動車メーカーに採用されることは、その技術力を裏付けている。今後も引き続きセレンスの取り組みに注目していきたい。
▼Cerence公式サイト
https://www.cerence.com/
【参考】関連記事としては「CASE時代、「車内ブラウザ」が激熱!米Cerence、トヨタに提供」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)