クボタ、北米向け自動運転トラクター事業強化へカナダ企業買収

AgJunction社、自動走行制御で多数の特許

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農機大手の株式会社クボタ(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:北尾裕一)は2021年11月29日までに、カナダのAgJunction(アグジャンクション)を買収したことを発表した。

アグジャンクション社は、農業機械・建設機械向けの自動走行制御に関する機器やソフトウェア開発などを手掛けているカナダ企業だ。

▼AgJunction公式サイト
https://www.agjunction.com/

■北米向けトラクターの技術開発を強化

クボタは長期ビジョン「GMB2030」を策定し、自動運転の農業機械など、スマート農業の実現に向けた取り組みを行っている。

1990年設立のアグジャンクション社は、自動走行制御に関する多数の特許を保有しており、オートステアリング(自動操舵)や走行ルートの自動生成技術を得意としているという。

クボタはカナダの現地法人「クボタカナダ」を通じ、アグジャンクション社の全株式を取得し、グループ会社化した。

今回の買収により、クボタは北米市場に向けたトラクターの自動運転技術の開発を推進していく。さらにデータを活用した「精密農業」の研究・開発体制も強化する。

■農機・田植機の自動運転化に注力

クボタは自動運転技術の開発に早くから取り組んでおり、自動運転機能を搭載した農機として「Agri Robo(アグリロボ)」シリーズを展開している。

今から2年以上前の2019年7月に発売された「アグリロボトラクタMR1000A」は、すでに耕うん・代かき・肥料散布・粗耕起・播種の5つの作業を自動運転で行える機能を備えていた。2020年1月には業界初の自動運転田植機として「アグリロボ田植機NW8SA」を発売した。

【参考】関連記事としては「クボタ、自動運転機能を搭載したGPS農機「アグリロボトラクタMR1000A」を発売へ」「自動運転が可能な田植機、クボタが業界初販売へ 農業、労働力不足が依然深刻」も参照。

またクボタは半導体大手の米NVIDIAと2020年10月に戦略的パートナーシップを結び、NVIDIAのAIプラットフォーム「NVIDIA Jetson」を活用しながら、農業のスマート化に向けて協業している。

■世界有数の農業大国アメリカでシェアを伸ばせるか

自動運転技術と言えば、公道を走行する自動車やバスに搭載する技術が注目されがちだが、スマート農業の分野でも自動運転技術に対する注目度は高い。

アメリカはGAFAMなどの大手IT企業が存在している国だが、世界有数の農業大国でもある。例えば、とうもろこしや大豆の生産量は世界1位だ。そんなアメリカでクボタの農機がアグジャンクションの買収でさらに進化し、市場シェアを伸ばしていけるか注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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