調査会社の株式会社J.D.パワージャパン(本社:東京都港区/代表取締役社長:山本浩二)は2021年10月1日までに、「2021年日本自動車初期品質調査」の結果を発表した。
不具合に関する指摘で最多だったカテゴリーは「運転支援」で、そのカテゴリーの中で「車線逸脱ワーニング/レーンキープアシスト – 警告がわずらわしい」が全項目のうち、最も多かった。
■ユーザビリティの問題が浮き彫りに
この調査は新車を購入して2〜13カ月経過したユーザーを対象に、自動車の初期品質に関する評価を明らかにするために行われたものだ。11回目を迎えた今回は2021年5〜6月にインターネット調査が行われ、1万9,615人が回答した。
調査では、所有する自動車の不具合経験について「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ(FCD)」「運転支援」「インフォテインメント」「シート」「空調」「内装」「パワートレイン」の9カテゴリーで聴取した。
「運転支援」に次いで2番目に不具合の指摘が多かったのは「インフォテインメント」で、国内ブランドより輸入ブランドでの指摘が多かった。不具合の種類では「分かりにくい/使いにくい」といった指摘が総不具合指摘数の35%を占め、最も多かった。
「分かりにくい」「警告がわずらわしい」といった不満は、すなわち「ユーザビリティ」の問題であるということだ。適応力が高い若い世代からもこうした指摘が多く、各社、こうした課題を解消するための取り組みが必要とされそうだ。
■自動車メーカーが取り組むべきはユーザビリティの向上
運転支援技術は自動運転レベル1〜2に相当し、いずれはレベル3〜5の自動運転技術へと昇華していく。そのため運転支援システムのユーザビリティの向上は、将来を見据えても今から自動車メーカーが取り組むべき重要な課題だ。
今後、各自動車メーカーがどう対応していくのかに注目していきたい。
▼J.D. パワー 2021 年日本自動車初期品質調査
https://japan.jdpower.com/sites/japan/files/file/2021-09/2021_Japan_Initial_Quality_Study%20%28IQS%29_J.pdf
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義・呼称を徹底解説!市販車はレベル3、バスはレベル4に挑戦」も参照。