米カリフォルニア州議会で2021年2月、自動運転に関する新たな法案の提案がデイブ・ミン上院議員からあり、注目を集めている。米メディアが報じた。
公道を走行する自動運転車に対し、2025年までに二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする「ゼロ・エミッション」化を求めるという法案(bill)で、現時点ですでに存在している自動運転車も対象となるのであれば、かなり先進的な目標であると言える。
仮に可決・成立すれば、自動運転車や自動運転トラックのほか、自動配送ロボットなどもゼロエミッション化の対象となり、開発各社は対応に追われることになりそうだ。
■「憂慮する科学者同盟」が後押し
報道などによると、この法案提出に関しては、環境系の有力非政府組織(NGO)である「憂慮する科学者同盟」(UCS)の後押しがあったようだ。
ちなみにカリフォルニア州ではギャビン・ニューサム州知事が、2035年までに全ての新車のゼロエミッション化を目指して動いている経緯がある。
自動運転車の多くは将来的にEV(電気自動車)として開発・販売されることが予想されているが、自動運転車に関して「2035年」よりも10年早い「2025年」までのゼロエミッション化が義務化されれば、同州の環境対策への姿勢が評価されることにつながりそうだ。
ちなみにデイブ・ミン上院議員が提出した法案については、米カリフォルニア州議会のウェブサイトにおける以下のリンクから確認することができる。
▼SB-500 Autonomous vehicles: zero emissions.
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202120220SB500
■UCS、NuroやCruiseなどにも既に接触
報道によれば、UCSは法案に関するさまざまな利害関係者にすでに接触しており、その利害関係者としては、ソフトバンクグループが出資する自動配送ロボット開発企業のNuro(ニューロ)や、GM子会社の自動運転開発企業Cruise(クルーズ)などが含まれているという。
カリフォルニア州で今回提出された法案が可決・成立されるのか、自動運転業界としてはしばらく注目のトピックスとなりそうだ。
【参考】関連記事としては「米カリフォルニア州、「自動運転タクシー」が料金徴収可能に」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)