スマートフォン事業で一世を風靡したカナダのブラックベリー社が、自動運転事業で快調な復活劇を繰り広げている。元々スマホ向けOSとして使用していた技術を自動運転事業向けに活用し、既に世界の大手企業と使用ライセンス契約を結んでいる。
同社がこのほど発表した2018年第2四半期の決算において、技術・ソリューションビジネス部門の収益は前年同期比29%増の4900万ドル(約54億円)と堅調な成長を見せた。その成長を牽引した「QNX」部門だ。
実はこのQNXは元々、ブラックベリーの基本ソフト(OS)にも使われていたものだ。同社はQNXを進化させ、自動運転分野への転用に成功。既にブラックベリー社はQNXの使用について、英自動車販売会社のジャガー・ランドローバーや自動運転開発を手掛ける中国のネット検索大手・百度(バイドゥ)などとライセンス契約を結んでいる。
同社はこのQNXの開発加速に向けて一層の投資を行う姿勢を示しており、カナダ国内を中心に世界各国の優秀なエンジニアを採用していくという。
ブラックベリー社は一時は世界のスマートフォン市場でシェア2位(2010年)の位置につけていた。しかし販売不振が続き、2016年にスマホ事業を実質的に終了。その後、端末の自社開発・生産をやめ、ソフトウェア開発事業に業態を変更している。
【参考】ブラックベリー社については「カナダの元スマホ大手ブラックベリー、AI自動運転・ADASで再起をかける|自動運転ラボ」も参照。