トヨタ自動車系の部品メーカーである東海理化(本社:愛知県大口町/代表取締役社長:三浦憲二)は、強みであるキーセキュリティ技術に関する事業を拡大し、スマートフォンを使って物理的な鍵の受け渡しなどを不要にする「デジタルキー」の配信事業を本格化させる。
車両運行管理事業を手掛けるデータ・テック社と共同開発契約を締結し、将来的に新たな車両運行管理システムを提供する計画で、具体的にはこのシステムには下記の3つの機能を持たせる。
①物理的なキーの受け渡しと管理が不要なデジタルキーの配信
②デジタルキーのやり取りに紐づいた車両運行管理
③アルゴリズムに基づく高精度な安全運転診断
同社はこのシステムの開発・提供によって、「トラックや営業車などの社用車や建設機械などの運行管理やカーシェアなど新たな分野への付加価値創造へ貢献することができます」とした上で、将来的には「駐車場、自転車、コインロッカー、ホームドア、ホテルなどの各種シェアリングサービスへの事業領域の拡大にも注力していきます」としている。
デジタルキーが導入されると従来よりも鍵の受け渡しや管理の手間が大幅に削減される。またカーシェア車両にデジタルキーを導入すれば、解錠時の認証によって乗客属性が把握できるようになり、車内での広告配信の最適化にも活かせる。こうした点からも東海理化の今回の取り組みは注目すべきものだと言える。
【参考】関連記事としては「カーシェアリングとは? メリットやデメリットは? MaaSの一端を担うサービス」も参照。