カナダ企業ブラックベリー(BlackBerry)社の事業部門BlackBerry QNXは2019年11月17日までに、車載組込システム開発のドイツ企業イータス社(ETAS)とともに、次世代のコネクテッドカーと自動運転車向けに、車載コンピュータやドメイン・コントローラ用のソフトウェアプラットフォーム、その関連ツールの開発と販売を共同で取り組むとする協業体制を発表した。
具体的には「AUTOSAR Adaptive Platform」を標準とし、ETAS社が有する機能安全やベーシックソフトウェアに関する専門知識とBlackBerryQNXのリアルタイムOS(基本ソフト)やハイパーバイザーを組み合わせ、より高い安全性と信頼性を重要視したプラットフォームを提供していくという。
また両社は今後、ADAS(先進運転支援システム)やテレマティクスの次のステップである車車間・路車間通信(V2X)などの分野にも対応していく意向だ。
■安全でセキュアな次世代自動車を開発
BlackBerry QNXのシニア・バイスプレジデント兼共同責任者であるJohn Wall氏はイータス社との協業について「高セキュリティが要求されるコネクテッドカーおよび自動運転車の開発を目指す自動車業界への触媒としての役割も果たしてくれます」と述べ、今後について「イータス社が所有するIP(知的財産権)やテクノロジーと当社の資産を組み合わせ、安全でセキュアな次世代自動車の開発を推し進めていきます」としている。
イータス社は自動車部品世界大手の独ボッシュの100%子会社だ。ボッシュは今回の協業を支持しており、BlackBerry QNXとともに、自動車市場と顧客の需要を満たすにはこのようなソリューションが必要だと強調しているという。
ブラックベリー社はもともとスマートフォン事業などを行っていたが、その技術を活用して現在は自動運転事業に力をいれている。同社が手掛けるBlackBerry QNXは日本を含む世界中の自動車メーカーや部品メーカーに多数採用され、ティア1メーカーやインテル、NVIDIAといった自動運転開発に関わる半導体メーカーとも提携している。
【参考】関連記事としては「カナダの元スマホ大手ブラックベリー、AI自動運転・ADASで再起をかける」も参照。