アップル社が米カリフォルニア州で実施している自動運転車の実証実験における走行距離が、2017年の838マイル(約1350キロ)から2018年は7万9745マイル(12万8400キロ)まで95.1倍に増えたことが、2019年2月15日までに分かった。米カリフォルニア州車両管理局(DMV)が公表したデータで判明した。
アップル社は2017年4月から米カリフォルニア州で、トヨタ自動車のレクサスの2015年型SUV(多目的スポーツ車)をベースにした自動運転車の公道テストを行っている。グーグルとは異なり自動運転に関しては秘密主義を貫いているアップルだが、たった1年で走行距離を95.1倍も伸ばすという力の入れようをみると、やはりここに来て開発を本格化させているようだ。
ただし、グーグルの自動運転部門「ウェイモ」の自動運転車の走行距離は1000万マイル(約1600万キロ)だ。いくら95.1倍に伸ばしたとはいえ、累計距離ではウェイモに遠く及ばない。出遅れ感は否めないが、仮想空間での走行テストも重要なのも自動運転車の特徴。公道での累計距離だけでは単純に比べられないという見方もある。
また、自動運転中に人間ドライバーが運転に干渉したことを示す「解除報告」の回数においては、ウェイモは約1万マイル当たり1回、アップルは約1マイル当たり1回と、桁違いの違いがある。解除報告回数は自動運転の安全性を図る指標となるため、「アップルカー」の登場はまだまだ先と見ている専門家も多い。
【参考】関連記事としては「2019年、Appleは自動運転領域のゲームチェンジを目論むのか?」も参照。