ヤンマーアグリ株式会社(本社:大阪府大阪市/社長:北岡裕章)は、乗用田植機「YR-Dシリーズ」に自動直進機能を搭載した直進アシスト田植機「YR6D/8D」を2020年1月1日に発売する。ロボットトラクターやオートトラクター、オート田植え機に続く自動運転技術「SMARTPILOT」シリーズの第3弾として開発された。初年度に1500台の販売を目標としているという。
YR6D/8Dは直進専用の自動操舵システムを採用している。3つのボタンを操作するだけで自動直進ができ、誰でもまっすぐに正確な植付けが可能となるという。旋回時も一連の作業を自動化することにより、ハンドル操作のみに集中できるという特徴もある。
報道発表では「密苗は、慣行栽培とほぼ同じ管理方法で、規模や地域、品種に関わらず、収量も慣行と同等を確保することが可能です」としている。
■拡大するスマート農業市場で開発に力を入れる企業は?
農業分野は、農地の集約による経営の大規模化の取り組みにおいてや就農者減少、高齢化による人手不足などの課題を抱えている。ロボット技術やICTなどの先端技術を活用したスマート農業は、そんな課題を克服すると期待されている。
こうした中、スマート農業の市場は自動運転技術や位置情報システムの高度化とともに規模が拡大し、2025年には123億円にまで成長すると予測されている。こうした有望性もあり、近年スマート農業の開発に力を入れている企業は少なくない。
例えば、クボタは2016年から直進時のみ自動操舵走行ができる「直進キープ機能付田植機」や曲線経路も自動操舵走行可能な「畑作用大型トラクタ」、2017年には有人監視下で無人自動運転作業ができる「アグリロボトラクタ」を発売している。
コンバインに自動運転アシスト機能を業界で初めて付加し、オペレーター搭乗のもと、自動運転による稲・麦の収穫作業を可能した「アグリロボコンバイン」についても既に発表している。
井関農機は直進アシストシステムを搭載した田植え機や、GNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)を活用して高精度な自動運転作業が実現できるロボットトラクターも開発している。
超音波センサーと電極センサーで土壌測定を行い、施肥量を自動コントロールする田植え機の実証も進めている。
■田んぼは「私有地」、公道よりも導入のハードルは低い
田んぼは基本「私有地」だ。そのため、規制が厳しい公道よりも自動運転機能が導入しやすい。こうした背景から、各社による自動運転農機は今後続々とラインナップが増えてくるとみられる。
【参考】関連記事としては「無人トラクター・コンバインの開発企業まとめ 農業向け、自動運転技術など活用」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)