あるクラウドファンディングの内容が気になった。衛星データとAI(人工知能)を活用し、バーチャル空間に「もう1つの世界」を自動生成する、というプロジェクトだ。
このプロジェクトを支援すると、バーチャル世界の都市に看板を設置できるという。バーチャル都市は今後、誰でも無料で自由に使えるように無償提供していくようで、バーチャル都市に看板を設置しておけば広告効果が期待できるという仕掛けだ。
ここまでの説明だけでは「自動運転」とはあまり関係がないように感じると思うが、どうやらこのバーチャル都市は、自動運転のイノベーションにも貢献するらしい。どういうことなのか。
■自動運転AIに運転を学習させる舞台に
プレスリリースから推測するに、バーチャル都市は衛星データを使って実際の都市を3Dモデル化していくため、自動運転AIに運転を学習させる舞台として使えるようだ。
このプロジェクトを展開する株式会社スペースデータ(本社:東京都新宿区/代表:佐藤航陽)によれば、個人や法人に関わらず無料でバーチャル都市のデータを使えるため、大きな開発予算がないスタートアップ企業にも非常に有用なようだ。
ちなみにバーチャル都市は、人工衛星から取得する地上の静止画像や標高データをAIに機械学習させることで、構造物を自動で検出・分類・構造化し、3Dモデルとして生成することが可能になるという。
以下のYouTube動画は、実際に東京都内の一部のエリアを3Dモデル化した様子だ。
■2022年7月までにサービスサイトを公開
一般向けに3Dモデルのサービスサイトが公開される時期については「2022年7月まで」とされており、いずれにしても自動運転技術の開発に活用できるようになるのはまだ先の話だが、自動運転技術を開発する国内外の企業から注目を集めそうだ。
ちなみにこのプロジェクトのクラウドファンディングの詳細は、以下のページから確認できる。
▼衛星データとAIを活用してバーチャル空間に「世界」を自動生成するプロジェクト
https://camp-fire.jp/projects/view/484364
【参考】関連記事としては「静岡県、道路や施設の3Dデータを無料公開へ 自動運転時代の先進県に」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)