グーグル系ウェイモとライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズのアメリカ企業2社は、これまで自動運転技術に関する法廷闘争を繰り広げてきたが、Forbesの報道によれば、ウーバー側がグーグル(ウェイモ)側に対して仲裁金として970万ドル(約10億6000万円)を支払う形で決着したようだ。
この訴訟はグーグル側が起こしたものだ。グーグル側は、ウーバーがウェイモのエンジニアを引き抜いたとことを問題視した。既にグーグル側の主張を裁判所が認める判断をしており、ウーバー側がどれだけの金銭を仲裁金としてグーグル側に支払うか、注目を集めていた。
自動運転業界では、今後こうした人材の引き抜きなどに端を発する訴訟などが増えていく可能性がある。自動運転技術の開発競争が激化していることが背景にあるが、この領域のエンジニアの年収は年々高まっており、転職などによって所得増を狙いたい技術者自体も増えることが考えられるからだ。
■ウーバーとグーグル、過去にも訴訟
ウーバーとグーグルが絡む訴訟は過去にも起きている。その着火点となったのが、グーグルを退職したエンジニアのアンソニー・レバンドウスキー氏が自律運転トラック企業のオットー社を立ち上げ、ほどなくしてウーバーがそのオットー社を傘下に収めたことだ。
グーグル側は自動運転関連の企業秘密をレバンドウスキー氏が不正に持ち出したとして、ウーバー・オットー側を提訴し、結果的にウーバーが自社株の0.34パーセント(約2億4500万ドル=255億円と言われている)をウェイモ社に譲渡する形で和解となっている。
【参考】関連記事としては「自動運転領域におけるウーバーの「金」と「投資」を完全解説 トヨタ自動車やソフトバンク、グーグルも出資」も参照。