2020年、自転車による商品配達や出前サービスが日本国内で盛んになる。既にサービスを展開している「Uber Eats」のほか、「DiDi Food」と「PayPayダッシュ」が新たにサービスの提供を開始する。この記事ではこの3つのサービスに焦点を当て、解説していこう。
記事の目次
■Uber Eats:日本では2016年からサービス展開
自転車やバイクでのデリバリー配達サービスとして日本で現在最も知られている存在と言えば、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」だろう。
Uber Eatsはカリフォルニア州サンタモニカで「UberFRESH」という名称で2014年8月にサービスがスタートし、2015年に「Uber Eats」に改名し、配車アプリ「Uber」から分離する形でアプリがリリースされた。日本では2016年から展開されており、スマホアプリから料理を手軽に注文できる。
「配達パートナー」は配達をすることで収入を得ることができ、デリバリーが自前でできない飲食店にとっては、登録するだけでデリバリーサービスに対応したことになるというメリットがある。
日本でUber Eatsを利用できる地域(2020年2月時点)は、東京23区のほぼ全域、神奈川県の横浜市や川崎市の一部、愛知県名古屋市の一部、大阪市や周辺、京都市、兵庫県神戸市や芦屋市、福岡市、広島などで、徐々に拡大している。
■DiDi Food:2020年4月からサービス提供を開始か
タクシー配車アプリ事業を手掛けるDiDiモビリティジャパン社は、アプリを使用したフードデリバリーサービスを始めると2019年12月に発表している。事業名は「DiDi Food(仮称)」で、4月からサービスが開始されるようだ。
デリバリー・パートナー(配達員)の確保のために補償を充実させる方針で、公式サイトには「万が一に備えて自転車・原付を利用する配達パートナー向けに安心の保険/補償制度をご用意しております」と記載している。
中国ではフードデリバリーが2016年前後に爆発的に人気が高まり、DiDiは中国では2018年5月にフードデリバリー業界に参入している。
■PayPayダッシュ:福岡県の天神地区でテストサービスを開始?
大手検索サイトのヤフーは2020年2月、即時配達サービスである「PayPayダッシュ」を準備中だと発表している。テストサービスを福岡県の天神地区で提供するとみられており、正式ローンチの時期や具体的なデリバリー内容が気になるところだ。
デリバリースタッフの求人要項では、「ユーザーからの注文に合わせて商品をピックアップ、配達する仕事」となっているため、フード以外のものもデリバリーする可能性もあるようだ。自転車や配達バッグ、ユニフォームは貸与されるとある。
■【まとめ】自動運転時代を前に、顧客を囲い込む
自動運転時代に突入すると、自転車での配達サービスはいずれ自動運転車両やロボットでの配達に置きかわるかもしれない。ただ顧客層は同じであることから、今からユーザーを囲い込んでおく意味でも3社の現在の事業には大きな意味があると言える。
【参考】関連記事としては「自動運転時代に花開く「つなぎビジネス」の先見性! 」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)