新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、日本でも外出自粛が個々人に求められられている。ただ「巣ごもり」ばかりでは精神衛生への影響も懸念される。何かよいストレス発散の方法はないものだろうか。
例えば、自分の代わりに旅行へ行ってくれる自律走行ロボットがあればどうだろうか。ロボットが自分に代わって旅行を疑似体験してくれ、カメラの映像やマイクで拾った音を通じてユーザーは旅行気分を味わう、といった具合だ。
あなたはもしこのようなロボットが100万円で手に入るとしたら買う?
■自律走行ロボットに秘めるさまざまな可能性
このようなロボットは技術的にはもうすぐ実現可能になる。地図データを読み込ませたロボットにセンサーを搭載すれば、GPS(全地球測位システム)を活用しつつ障害物を避けながら、目的の場所まで移動させることができるようになる。
海外企業もこうした自律走行ロボットを開発しており、日本でも開発例や実証例は既に少なくない。主にこうした自律走行ロボットは、物流業界の人手不足を補うことや業務の効率化を目的に開発されているが、少し視点を変えれば冒頭触れたような旅行の疑似体験ロボットとしても活用できる。
自律走行ロボットであれば、自分が感染するリスクも誰かを感染させるリスクも気にせず、代わりに旅行をさせることができる。
■長期療養中や寝たきりの人にもニーズがありそう
自律走行ロボットを疑似旅行に活用するという使い方は、病院で長期療養中の人や寝たきりの高齢者など外出が難しい人向けのエンターテインメントやストレス緩和のコンテンツとしても役立つはずだ。
実際、こうした自分の代わりに行動する「分身ロボット」を活用する試みが行われつつある。今年1月には、難病などによって外出が困難な人が「分身ロボット」でカフェの接客を行うという社会実験が東京都内で行われ、注目を集めた。いずれはこうした外出困難の人の新たな雇用にもつながるかもしれない。
旅行の疑似体験、分身ロボットとして接客…。自動走行ロボットには無限の可能性がある。新型コロナウイルスの感染拡大は、改めてこうしたことを感じさせる。
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【参考】関連記事としては「矢継ぎ早!ZMP、新型コロナ対策で「自動運転の台車」提案」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)