大手会計事務所のデロイトトーマツグループ(本社:東京都千代田区/グループCEO:永田高士)は2020年12月18日までに、2020年の「テクノロジー企業成長率ランキング」を公表した。
日本のテクノロジー・メディア・通信関連の企業を対象にしたランキングで、今回で18回目を迎えた。過去3決算期の売上高に基づき成長率を算出し、その結果でランキングを作成している。
2020年ランキングでは、AI(人工知能)やデータ分析、クラウドなどが事業領域の企業が目立ったほか、自律制御や画像認識などの技術を研究する企業として、自律制御システム研究所とフィーチャがランクインしている。
■ドローンや自律制御技術を開発する自律制御システム研究所
成長率245.4%で7位にランクインした株式会社自律制御システム研究所(本社:東京都江戸川区/代表取締役CEO:太田裕朗)=ACSL=は、商業用ドローンの製造・販売のほか、自律制御技術を用いた無人化・IoT化のソリューションサービスを提供している。
ACSLはこれまでさまざまな企業と連携してきた。2016年には楽天やNTTドコモとともに都市部でのドローン配送システムの実証実験を成功させた。2018年には日本郵便の郵便局間輸送の実証に参加し、2020年3月にも中山間地域での郵便物配送実験も行っている。
■モビリティ領域で画像認識に取り組むフィーチャ
画像認識ソフトウェア開発のフィーチャ株式会社(本社:東京都豊島区/代表取締役社長:脇健一郎)は99.5%の成長率で27位にランクインした。画像認識は自動運転を実現するための重要な要素の1つで、モビリティ業界で存在感が高まりつつある企業だ。
2019年には日本ユニシスの法人向けドライブレコーダー「無事故プログラムDR」に同社の技術が搭載され、画像解析によって交通違反のリアルタイム検知ができるようになった。ちなみにフィーチャは2020年6月24日は東証マザーズ市場に上場している。
■【まとめ】いずれは自動運転ど真ん中の企業もランクイン
このランキングは過去3決算期の売上高に基づいた成長率で順位付けされている。そのため、いまはまだ市場が小さい自動運転にど真ん中で張っている企業はランクインしていないが、LiDAR開発企業などのIPOが進むことも予想されることから、いずれは自動運転関連企業がランキングに多く登場していくとみられる。
ただいずれにしても、自律制御システム研究所やフィーチャのランクインは、自動運転・自律制御と関連する技術の盛り上がりを感じさせる。両社の事業にも引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転、中国ユニコーンが躍進!時価総額ランキング順に5社紹介」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)