ぶどうの産地などで知られる長野県塩尻市で、新たなプロジェクトが2021年10月からスタートしたようだ。そのプロジェクトとは、AI(人工知能)活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」の実証運行の第2弾で、2022年3月31日までの半年間、有料で運行するという。
これは「塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクト」における3つの実証実験のうちの1つで、のるーとの実証運行は2020年11月の無償運行に続いて2度目となる。料金は大人200円、小学生・障がい者が100円、乳幼児が無料となっている。
同プロジェクトは、人口減少や少子高齢化などの地域の交通課題の解決や経済の活性化などを目的に、塩尻市と塩尻市振興公社が民間企業と組む形で2020年から実施しているものだ。
ちなみにほかの2つの実証実験は、バス型自動運転とタクシー型自動運転に関するものだ。この「3本の矢」で 、ぶどうの街で知られる同市が次世代モビリティを地域交通に盛り込み、新たな地域交通体系を構築して進化していけるか、注目が集まる。
■のるーと塩尻、AIを活用して適宜ルートが最適化
のるーと塩尻について、もう少し詳しく説明を加えておこう。
のるーと塩尻は、乗客のリクエストに応じながらAIを活用して適宜ルートが最適化される。2020年11月に1カ月間かけて行った第1弾の無償運行では、目標乗客数1,500人に対し2,410人が利用し、利用者の約8割が高い満足度を示すなど高い評価を得た。
今回の第2弾では実施期間を半年とし、乗降拠点を前回から40カ所増やし、111カ所に設置する。蓄積した運行データをもとに、2022年4月1日以降に既存の地域振興バス「中心市街地循環線」とのサービス代替が可能かどうかを検討していく。
■塩尻市が「交通先進市」と呼ばれるように?
AIを通じてルートが最適化されれば、オンデマンドバスは効率的な運行が可能になる。そのため、従来のバスよりも高い収益性となり、地域交通として持続的に運行できるようになることが期待される。
ほかに取り組んでいるバス型自動運転とタクシー型自動運転も導入される流れとなっていけば、塩尻市は「交通先進市」などと呼ばれて注目されることになりそうだ。
▼塩尻市「塩尻型次世代モビリティサービス実証プロジェクト」
https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/kikakuseisaku/kanminrenkeisuishin/jidouunten_jissyou.html
▼塩尻市「塩尻MaaSプロジェクト」
https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/kikakuseisaku/kanminrenkeisuishin/jidouunten_jissyou.html
【参考】関連記事としては「自動運転、バス型&タクシー型車両の走行実証!長野県塩尻市で」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)