画像アプリ「SNOW」の顔認識技術を手掛けたことでも知られるセンスタイムは、いま自動運転領域にも力を入れている。そんなセンスタイムの日本法人であるセンスタイムジャパンが新たな取り組みを発表し、注目を集めている。
その内容は、南紀白浜エアポート社が管理する南紀白浜空港の空港内緑地帯において、草刈り自動化の有効性や適用可能性を検証する実証実験を実施するというものだ。センスタイムが磨き続けているディープラーニングによる画像認識技術が活用されるらしい。
この実証実験は2021年3月末まで実施されるという。
■作業員不足や作業中の設備破損などの課題を解決
従来、空港内緑地帯の草刈りは航空機の離発着がない空港運用時間後にしか実施できず、作業時間が深夜に限定されていた。そのため、作業員の確保や作業中に航空灯火設備などが破損することなどが大きな課題となっていた。
そんな中、空港施設への衝突を回避できる草刈り作業の自動化は空港を効率的に運営する一助となるという。
センスタイムは草刈機メーカーや芝生業界に向け、定期的な草刈りに最適化した汎用画像認識技術の提供も目指すという。
■自動運転分野で着実に存在感を高めているセンスタイム
センスタイムジャパンは2017年12月、自動運転システムへ適用するAIアルゴリズムの長期共同開発契約を本田技術研究所と締結したことで話題になった。2019年1月にはAIが運転を学習する場所として、茨城県常総市の自動車学校の跡地を活用し、テストコース「AI・自動運転パーク」も開設している。
同年6月には香港本社が、世界の大手自動車メーカー20社にAI車内監視システムを供給する計画を発表した。運転手の表情や姿勢をカメラで分析し、居眠りなどの兆候があればアラートを発するというシステムで、人がシステムと運転を代わる局面がある自動運転レベル3では非常に重要な技術だ。
センスタイムは自動運転分野で着実に存在感を高めている。今後もセンスタイムの動向は要チェックだ。
【参考】関連記事としては「自動運転で培った技術も!NEXCO中日本、センスタイムの技術を試行導入」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)