警備サービス大手のセコム株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:尾関一郎)は2021年6月13日までに、新しいセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」を開発したことを発表した。
巡回ルートを自動運転で自律走行できる監視ロボットで、年内に販売をスタートする予定だという。
■以前から警備ロボットの開発に注力
セコムは以前から自律走行の監視ロボットの開発に注力している。2019年6月からサービス提供を開始した「セコムロボットX2」は、レーザーセンサーによって自己位置を特定しながら敷地内の巡回ルートを自律走行し、搭載したカメラでの画像監視を行うロボットだ。
そしてセコムロボットX2は成田国際空港で導入され、国内の空港では初めての自律走行型の巡回監視ロボットということで話題になった。熱感センサーや金属探知機を内蔵したアームを搭載し、ゴミ箱や不審物の確認もできることから、爆弾テロの対策にも一役買っている。
少子高齢化の影響で、当時から警備業における人材不足が社会課題となっていたこともあり、セコムロボットX2の登場は画期的なものとして捉えられた。
【参考】関連記事として「空港初!成田に自動運転の警備ロボット導入 セコムが開発」を参照。
■「cocobo」はさらに進化した警備ロボ
cocoboは、従来の巡回監視ロボットをAI(人工知能)や5Gでパワーアップさせたようなスペックとなっている。搭載したカメラの映像をリアルタイムでAI解析し、異常を検知した場合には防災センターに連絡が入るシステムとなっている。
また、点検機能が強化されており、目的に応じてアタッチメントを交換できるようになっている。ゴミ箱の点検を行う際には熱画像センサーやカメラを搭載したアタッチメント、扉の施錠確認の際にはハンド型のアタッチメントを用いる。
さらに建物内の監視カメラ映像などのクラウド上の情報を活用することで、常駐警備員と連携して、幅広い業務の効率化などを可能にするという。
■ライバル企業のアルソックも負けていない
セコムのライバルとも言える綜合警備保障(アルソック)も、警備ロボットの開発で負けてはいない。
同社が開発しているのは「REBORG-Z(リボーグゼット)」で、タッチパネルが前面に配置されているデザインとなっているなど、人間とのコミュニケーションという視点での開発に力が入れられている。
このように、セコムもアルソックも開発を加速させている警備ロボット。いずれは人間の多くの警備業務を代替してくれるようになっていきそうだ。活躍の場も空港やオフィスビルなどのほか、さまざまな場所へと広がっていきそうだ。
【参考】関連記事としては「ALSOK、最高時速4.6キロの自律走行警備ロボット「REBORG-Z」を開発 自動運転で省人化」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)