自動運転バスは「郵便局→郵便局」ルートが最適!?運行事業者とWin-Win

駐車場の無償提供と貨客混載で双方にメリット

B!

2021年2月にウェブ会議「デジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会(第4回)」が開催された。その配布資料として「デジタル時代における郵便局の在り方に関する市町村の主な意見等」があり、この中で自動運転バスに関するアイデアが出ている。

そのアイデアとは、郵便局を自動運転バスの拠点にするというもので、郵便局側と自動運転バスの事業者の双方にメリットがあるアイデアだ。そのアイデアとは?

▼デジタル時代における郵便局の在り方に関する市町村の主な意見等
https://www.soumu.go.jp/main_content/000733917.pdf

■郵便局側と運行事業者がWin-Winの関係になれる理由

自動運転バスの事業者側にとってのメリットとしては、郵便局の駐車場を無料で活用できれば、別途駐車スペースを確保するコストを削減できることにある。しかも郵便局は全国にあまねく存在しているため、この仕組みは全国で展開しやすい。

郵便局側にとってのメリットとしては、自動運転バスのルートに含まれることで郵便局利用者の利便性の向上につながるほか、自動運転バスのルートが大中規模の郵便局から過疎地の郵便局を結ぶルートになれば、貨客混載によって郵便事業の効率化につながる。

つまり、自動運転バス側は無料で貨客混載を担い、郵便局側は無料で駐車スペースを提供すれば、双方にとってWin-Winの関係が築けるというわけだ。

■自動運転バスでもコストカットの努力は必要不可欠

いま自動運転バスへの期待感が高まっているのは、地方の公共交通機関が収益性の低下によって減便などを余儀なくされているからだ。

一方、無人運転の自動運転バスであれば省人化により収益性も見込める可能性が高いが、だとしても少子高齢化で利用者が一定程度にとどまることを考えれば、できる限りのコストカットは必要不可欠なものとなる。

こうした視点で、今回の郵便局を活用するアイデアは面白い。今後こうしたアイデアが検証されていけば、いずれ本当に郵便局が自動運転バスの拠点として機能するようになるかもしれない。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事